「愛と哀しみのボレロ」はクロード・ルルーシュの大作。
ソ連、フランス、ドイツ、アメリカのそれぞれのカップルが、第二次大戦中戦後をどう生きたかを、
バレエ、レビュー、クラシック、ジャズなど、音楽と踊りを軸に描いています。
(それぞれ、ヌレエフ、ピアフ、カラヤン、グレン・ミラーをモデルにしたと言われています)
バレエファンには、ジョルジュ・ドンが踊る「ボレロ」などが収録されていることで有名。
フランスのユダヤ人音楽家夫婦は、二人とも収容所に送られます。
輸送される途中、生まれたばかりの子どもを停まった駅の線路にそっとおろして運命から逃れさせます。
妻は囚人の音楽隊に入れられ、労働に駆り立てられる人々に向かって毎日バイオリンを弾く。それが彼女の生命を救うことにはなったけれど、心は死んでしまいます。
ヨーロッパやアメリカにとって、ユダヤ人問題がどれだけ深く複雑かが垣間見える力作。
でも、声高に正義を訴えるというより、音楽とダンスがかえって生きることの大切さをわからせてくれる。
何度見てもいい映画です。
(原題「Les un et les autres」1981フランス)
サウンドトラックはフランシス・レイとミシェル・ルグラン。
両氏とも、かつて「映画音楽」というジャンルを牽引したフランスの星です。
ルルーシュの映画は常に音楽とともにあります。
「愛と哀しみのボレロ」オリジナル・サウンドトラック
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