映画・演劇・本・テレビ、なんでも感動、なんでもレビュー!

  1. 映画
  2. 12 view

「消されたヘッドライン」

ある夜、事件があった。
麻薬常習者が銃で撃たれ即死、
その場を通りかかったピザの配達人も同じ銃で撃たれ、意識不明の重態。
同日、
一人の女性が駅のホームから線路に落ちて死亡。
彼女は国会議員の助手であり、愛人でもあったことから、
国会議員はスキャンダルにまみれる。
この議員の旧友であり新聞記者でもある男は、
二つの事件に関連性があることを偶然知る。
そして、
「軍隊の民営化」という国家的大問題に関わる陰謀の渦中に身を投じ、
一方でスクープを獲得し、
一方で旧友の命を救おうと奔走する。
手に汗握る緊迫感。
最後の最後まで先が読めない展開。
スケールの大きさと脚本の緻密さが合わさって、
見るものを飽きさせない。
そして
どんでん返しにつぐどんでん返し。
しかし…。
最後のどんでん返しによって、すべてが矮小化されてしまった。
なんでそうなるの??
個人と国家、マスコミと政治、
巨大な力に一矢を報いんと精魂傾ける主人公に感情移入し、
「風穴を開けたか?」と達成感を味わったその直後に、
ものの見事にはしごをはずされる。
「無力」に泣くなら、まだ無念さの持っていきようもあるが、
このオチは、正直私は許せない。
あれも、これも見せかけの伏線だったってわけですか?
こんな個人的な話を見たくて来たんじゃございません。
だまされた私が悪うございました。
2003年にイギリスBBCで放映された連続テレビドラマのリメイク。
映画の舞台はアメリカで、内容もかなり変更されているといいます。
もとになったドラマを私は見ていないので
最初からこういう結末だったのかどうかわかりませんが、
社会派、正義派の映画を観ようとしている人は、
最後にものすごく落胆すると思います。
カタルシス・ゼロです。
単に殺人ミステリーとして見れば、
非常によくできていると思います。
「消されたヘッドライン」は5月22日封切りです。

映画の最近記事

  1. 「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」

  2. 紀里谷監督のインタビュー記事をアップしました

  3. 「FOUJITA」~藤田嗣治の戦争画を考える

  4. ガメラ、ゴジラのいる映画館前のレッドカーペットを歩く

  5. 「ザ・ウォーク」

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。


Warning: Undefined variable $user_ID in /home/nakanomari/gamzatti.com/public_html/wp-content/themes/zero_tcd055/comments.php on line 145

PAGE TOP