今月から、月に一回のペースで小説とエッセイの勉強をするゼミナールに通うことにしました。
仕事とは関係なく、月に1本小説とエッセイを書く、というのは、
かなり大変なことではありますが、
がんばってついていこうと思っています。
昨日はその一回目。
8人のメンバーの自己紹介や、ゼミの方針などのお話があった後、
昨年度の最後の授業で提出された先輩たちの小説の講評がありました。
講師の先生は非常に古典に通じている方で、
「君の小説の雰囲気は○○に似ているから、○○を読んでみるといいよ」と
そんなふうに一流文学への道をつけてくれます。
昨日は、シューベルトを題材にして作品を書いた人に対し、
トーマス・マンの「ブッデン・ブローク家の人々」を薦めていました。
この前、舞台「エンバース」についてここでレビューを書いたとき、
音にする以上に文学が音楽を語れる、その力について少し触れましたが、
先生のお話から
「少年が弾くピアノの最初の一音から、最後の一音まで」をまるまる一章費やして描写したという
その「ブッデン・ブロークの人々」を読んでみたくなりました。
トーマス・マンというと、
「魔の山」「トニオ・クレーゲル」「ヴェニスに死す」などが有名です。
小説家やマンガ家にも、マンの影響を受けた人がたくさんいます。
…が!
何とも恥ずかしながら、私は1冊も読んだことがなーい!
「ブッデン・ブローク家の人々」で、マンがノーベル文学賞をとっていることも知りませんでした。
講師の先生はこんなこともおっしゃった。
「医学もどんどん進歩してるし、これからはみんな長生きしますよ~!
100まで生きる!
だから世に出るチャンス、有名になるチャンス、認められるチャンス、活躍するチャンスは
これからいくらでもあります。
でも、勉強する意欲というのは、そうそう続かない。
だから、世に出ることを焦るのではなく、勉強することに焦りなさい。
古典に触れることは、
一流の人と会話するのと同じくらい、質の高いインプットです。
たくさん、たくさん、読みなさい!」
この言葉を聞きながら、私は熊川哲也のことを考えていました。
彼がベートーヴェンの「第九」にバレエを振り付けているとき、
その作業はまるでベートーヴェンの作曲をなぞるようだった、と番組内で言っていました。
また、
彼が古典バレエにこだわる理由の一つとして
「素晴らしいクラシックの音楽でバレエを踊ることは、大作曲家と一緒に仕事ができるということ」
と常に語っています。
若いころは、「とりあえず手当たり次第」見たり聴いたり読んだり、という勉強のしかたが出来ますが、
年を重ねるほどに自分のテイストが固まってきて、
狭く、深く、細く、になりがち。
これをいい機会にして、
ジャンルを問わず、新しいものに挑戦していこうと気持ちを新たにいたしました。
新しいことを始めるのに、遅いということはありません。
そういえば、
「イントゥ・ザ・ワイルド」の中でも
new experienceが新しい人生を切り開くんだ、と
若者がおじいさんに言っていたっけ。
みなさんも、いつもとちがう本を手にとったり、
今まで見たことのなかったタイプのお芝居に行ったり、
定番のお店じゃない、知らないお店に入ったり、
ちょっと冒険してみませんか?
今日は「感動」というより、「決意」のおすそわけでありました。
*本日ネットにて、
マンの作品を3作ほど購入。
いやー、またツンドクにならないように、気をつけなくっちゃ。
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