シアタートラムで上演中の「現代能楽集」では、
パンフレットのようなものはなく、
見開きの、ほとんどフライヤー的代物が
ほんとのフライヤーと一緒に席に置いてある。
けれど別売りの「SPT07」(=Setagaya Public Theatre・最新号)は、
「古典のアップデート」という特集を組んでいて、
今回の公演の演出をした倉持裕、監修をした野村萬斎をはじめ、
多くの演劇人の「古典」あるいは「現代における古典」について
意義深い話が満載である。
特に美輪明宏の語る三島作品の演出プランは、
その意図の明確さと教養の深さにノックアウトである。
また、倉持裕の言葉も非常にフランクで、
「ストーリーはシンプルのほうがいい」「演劇は自由」という二つの言葉は、
「古典」に身構えてしまいがちな現代人へのよき提言であるとともに
自身の戯曲の可能性の再認識であり、
さらに現代日本の演劇への警鐘にもなっていている。
ほかにもいろいろ。
1000円は安すぎる。
聞けば1年に1度出しているという。
バックナンバーもロビーで売っていたが、手に取るとどれも面白そうで、
とうとう5冊も買ってしまった。
おかげでただでさえ重い荷物がさらに重くなり、
「もうあと藁の1本も増えたら倒れそう」と思いつつ帰途についた。
紙って、重い。
でも、紙で見られるって、素晴らしい。
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