「僕の仕事は未来のビジョンの創造だ」
そう言い切るだけの裏づけを、高城剛は厚く積み重ねています。
個人レベルにも、国家レベルにも、
具体的に提案ができる数少ない「ハイパー・クリエイティブ・ディレクター」。
「ヤバいぜっ!デジタル日本―ハイブリッド・スタイルのススメ」は、
ここまでやれば、本当に、未来が見えるだろうと納得してしまう1冊です。
未来を生き抜くための彼の提言は3つ。
「スタイル」「ハイブリッド」そして「ブランド力」。
まず、スタイル。
昨日のブログで「マトリックスは世界にスタイルを提供した」ようなことを書きましたが、
スタイルとは、つまりそれが人々の生活を変えてしまうということです。
これで成功したの例としては、たとえばi-pod。
かつてソニーのウォークマンがそうだったように、「音楽を持ち歩く」形態を一気に変えてしまった。
「ハイブリッド」はトヨタの車が有名だけど、
携帯電話が「通話」「メール」「ウェブ」「ナビ」「電子マネー」「音楽」と、
どんどん違った要素をとりこんでいく姿もハイブリッドなのです。
「ブランド」。
ブランド信仰というと、成金やチャラチャラした感じを抱く人もいるでしょうが、
「ブランドとは信用であり、信用に足る自分の形成である」という著者の言葉にハッとします。
長い年月、同じものを売り続ける会社ならではの「信用」。品質が保証されていることは大きいですね。
決して「そういうものを買いなさい」ではない。
「そういうものを生み出しなさい」であるところが、この本の本当のインパクト。
これからは「一芸に秀でる」でなく、「多芸に秀でる」ことが、成功の秘訣だという。
高城さん、要求が高い!
彼は、人にも厳しいが、自分にも厳しい。
「生死をかけて時代とコミットメントしている本業のクりエイティブ・ディレクターに、
(兼任で仕事をさせられている)サラリーマンが勝てるわけがない」
世の中、「生死をかけて」生きていかねばならない時代に突入している。
その予兆を感じ取るだけでも、読む価値がある一冊です。
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