「カラマーゾフの兄弟」の新訳が売れに売れているという。
ものかきたるもの、
ドストエフスキーの「カラマーゾフ」くらいは読んでおかねば、
・・・と思いつつ、
これまではなかなか手が出なかったのだが、
「あらすじで読む名作劇場」で興味をおぼえ、
お友達から読書会に誘われて、全5巻の最初の1ページに手をつけたのは、
今年の春だった。
読書会は1回目にお邪魔したきり、なかなか都合がつかず行けていないけれど、
読むほうはちゃんと進んでる。
現在第4巻も半ばに入った。
新訳は非常に読みやすいので、
「わけがわからない」「さっきのページからもう一度読まないと」
みたいな苦労はない。
ただ、
これは若いときに読む本かもしれないなー、という気がする。
ドストエフスキーは登場人物の揺れまくる心の変化を隠さない。
そして、登場人物の「衝動的」ともいえる行動をそのまま書く。
振り幅の大きい分、人物像を類型化することが難しい。
そういう文章の一つひとつは、
大きなエネルギーとなって迫ってきて、
がさついた感触を残す。
ディテールはものすごく提示されているのに、
心の底の、そのまた底は、なかなかみつけにくい。
私も歳をとったかなー。
文章を「浴びる」前に、「考えて」しまうのだ。
自分の中で、登場人物の「本心」を造り上げようとしてしまう。
竹やぶをガシガシ進み、ひじやすねや頬に切り傷負いながら、
それでもかきわけかきわけ前に進むような読書が出来ていない。
あと数日すれば、4巻も読み終わるだろう。
そして、5巻にたどり着けば、あとは一気に最後まで。
最後に、私の心に残るのは何?
今、ちょっと不安です。
カラマーゾフの兄弟(4)
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