昨日からの続きです。
リゾートしらかみ号は、
青森→川部→弘前→川部→五所川原とY字に折り返し、
五能線に入って秋田まで向います。
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岩木山は
青森から弘前へ向う車窓では右に、
弘前から五所川原では、
左の車窓へと場所を移す。
あたたかい陽光と水蒸気に
うっすらとではあったけれど、
車窓から見る岩木山は「おお」と思わせる勇姿であった。
「自惚れちゃいけないぜ。
岩木山が素晴らしく見えるのは、
岩木山の周囲に高い山が無いからだ。
他の国に行ってみろ。
あれくらいの山は、ざらにあらあ。
周囲に高い山がないから、あんなに有難く見えるんだ。
自惚れちゃいけないぜ」(「津軽」より)
まだ雪の白さを幾筋も残す近くの八甲田山の勇姿も捨てがたいが、
津軽平野のただ中に、
一つどっかと腰をすえた岩木山のかたちは、
なるほど「津軽富士」といわれるだけの優美さがあり、
太宰治にとっては
「日本の」より「津軽の」ほうが、
本家本元の「富士」であったろうと想像できる。
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五所川原駅、15時12分着。
いよいよ金木へ。
本当は五所川原から津軽鉄道に乗りたかったのですが、
それをすると帰京の可能性はゼロに。
タクシーで太宰の生家へと向います。(続く)
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