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ジョン・レノンをめぐる2つの映画

今日12月8日は、ジョン・レノンの命日。
同時に昭和16年(1941年)、
日本がハワイ・オアフ島のパール・ハーバー(真珠湾)を奇襲し、
アメリカに宣戦布告した日でもある。
ジョンの命日がこの日に重なったことは、
ジョンを愛する日本人にとって、
初めのうち複雑な心境を生んだ。
ジョンの暗殺は、衝撃的だ。
でも、
戦争の記憶を風化させたくない、という気持ちを持っていた人は、
いつか12月8日が
「日本が泥沼の太平洋戦争に正式に足を踏み入れた日」ではなく、
「一人のロック歌手が狂信的なファンに殺された日」に塗り替えられてしまうことに
いいようのない気持ちを抱いたことも確か。
近年、若者の間では
「太平洋戦争」で日本が戦っていた相手は「ソ連」と答える人も多く、
アメリカと日本が戦争していたなんて想像もつかないらしい。
それより
「ソレンって何?」の人も増えているくらいで、
時の流れというのは本当におそろしい。
1980年にジョンが亡くなって、今年で27年。
ジョンの命日には今も「イマジン」が流れ「ハッピークリスマス(War is over)」が流れる。
私たちは、それがジョンへの追悼だけでなく、
「世界が平和になりますように」の祈りとなっていることを知っている。
もし、哀しい死にも何らかの意味があるとすれば、
日本人女性ヨーコ・オノと結婚し
ベトナム戦争にのめりこんだアメリカに一人挑み続け、
一人の個の人間の立場から大国を非難し続けたジョンが
日本とアメリカの開戦の日に殺されたことには、
きっと意味がある。
どこの国とどこの国とが戦ったということは忘れられても
「イマジン」と「ハッピークリスマス(War is over)」が歌い継がれていけば、
きっといつかは
戦争がなくなる。
「絶対失望をしてはいけない」
2007年のヨーコ・オノが、明るく話す。
「イマジンの歌が出来た時、私たちはすぐにでも戦争がなくなると思っていたの。
 来年は、なくなるかなー、とか」
戦争は今もなくなっていないけれど、
彼女はまだ、絶望していない。
私も信じよう。
いつかは絶対、平和な世界を!
今日から始まる「PEACE BED~アメリカVSジョン・レノン」は、
当時のFBIの関係者などのインタビューも含め、
貴重な映像資料とともに
ジョンが平和を求めていかにアメリカと闘い続けたかを追ったドキュメンタリー。
「髪を伸ばし続けよう、戦争が終わるまで!」と微笑むジョンがまぶしい。
上映館の一つ・六本木TOHOシネマズでは、明日、舞台挨拶にヨーコ・オノ氏もかけつける予定。
また、「Chapter27」は、
ジョン・レノンを暗殺した男の最後の3日間の心理に迫るフィクションである。

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