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「キツツキと雨」@ガムザッティ354


キツツキと雨 【DVD】
木こりオヤジ、ゾンビ映画に出る
監督:沖田修一
配給:角川映画
ストーリー●一徹な木こりの克彦(役所広司)は、
妻が死んでこのかた仕事に励むが、
息子(高良健吾)とは喧嘩が絶えず、息子は家を出てしまう。
そんなとき、ゾンビ映画の撮影隊が村へやってきた。
道案内を発端に、無理やりロケを手伝わされる羽目になった克彦は、
「使えない」若いスタッフ達、特に気弱で煮え切らない
新米監督・幸一(小栗旬)が歯がゆくてたまらない。
だが脚本を読んでその世界観に感心、村人も巻き込んで映画作りに協力し、
職業や年齢を飛び越えて幸一を評価する。
ところが当の幸一は、ロケの映像第一弾を見て絶望。
すべてを投げ出し逃げるため、最終電車へ乗ろうと駅へ急ぐのだった。

経験あり体力あり、声の大きい昭和人間・克彦に、
独り言を小声で呟くばかりの草食系オタク平成男子・幸一はたじたじだ。
しかしそこから「自分」のこだわりを人に伝えるために必要な
自信と胆力を学んでいく。
一方克彦も若者と交流することで、
言葉少ない息子の心のありように気づかされていく。
それぞれ自分の世界に凝り固まっていた克彦と幸一が、
新しい世界に触れて変容していく様子を、
役所と小栗が絶妙の間合いで表現、思わず笑ったり、胸が熱くなったり。
村の自然や昔からの知恵、人々の素朴さを讃えつつも、
「映画作り」という突然の刺激が村人に「張り」を与え、平板な村の生活がどんどん活性化していくところにリアリティがある。ほのぼのとした笑いと達成感が心地よい。

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