父ちゃんが死んだ。
と思ったら、父ちゃんの弟が家に住みだした。
学校の先生が言った。
「あいつの家、ハムレットみたいやなあ」
ハムレットって何や?
何で俺がハムレットなんや?
大阪の下町で、ハムレットっていう組み合わせが
もうそれだけで面白いと思った。
その上、明るいおかあちゃんは松坂慶子だし、
そろっと家に入ってくるおっちゃんは、岸部一徳だし。
きっと面白いだろうとは思っていたが、
こんなに泣くとは思わなかった。
もうべしょべしょだ。
まったくノーマークだった
本上まなみや加藤夏希がものすごくよかった。
国語辞典を引き引き、「ハムレット」を読破する
ヤンキーな次男もステキだったし、
女の子になりたいと思っている三男と
叔母にあたるアキちゃん(本上まなみ)との絆もせつない。
三人の子供たちのエピソードはみなすばらしかったが、
特に
加藤夏希とおっちゃん顔の長男との話は、泣けた。
けったいな二人を結ぶ
「おとうちゃん」への気持ちの描き方が、深い。
もっとも大人顔の二人が、
もっとも幼い子どもの心を表しているところが
反則的に、うまい。
笑えるけど、涙。
誰も泣かそうとしてないけど、涙。
原作は「少年アシベ」を描いた森下裕美の同名漫画。
「40すぎて、仕事できる時間は限られているのに、
漫然と目標もなく仕事をしている自分に気づいて」
自分にしかできない仕事をしようと思って手がけた、という。
映画もよかったけれど、
この森下さんのコトバにまたまたノックアウト。
自分にしかできない仕事。
いろいろ考えさせられることの多い1週間です。
とにかく、この「大阪ハムレット」、見ましょう。
ハムレットを知らなくても、面白い。
ハムレットを知っていると、
死んだお父ちゃん(間寛平)が化けて出てくるっていうところが
「なるほどー」と思えて、またおかしいです。
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