気持ちのいい映画である。
映画館に一人座りながら、
気分が高揚していく。
死語だけど、「スカッとする」のだ。
昔、健さん(高倉健)主演のヤクザ映画を観た男は、
誰しも肩で風切って映画館を出て行ったというけれど、
私も見終わったあと、
銀座の通りを
「○○飲ませろ! ○○飲ませろ!」と口ずさみながら歩いていた。
パンクのりうつりである。
シャウトである。
1983年解散のバンドを、
1983年生まれのメンバーのバンドと間違え、
50歳になりなんとするさえない(というか、人生終わってる)中年に、
無理やりステージツアーを続けさせるという、
なんとも苦しい展開なのだが、
汚いコトバと、汚い○○の連続なのだが、
それでも「スカッとする」。
それは、彼らが本音で生きているからだろう。
自分に正直だからだろう。
「オレたちは、若いときは大人に笑われていた。
今、若造に笑われている。
そういう人生なんだ」
それでも、歌わずにはいられない。
バンドをやらずには、いられない。
その衝動が気持ちいい。
わけもわからず回りのものを否定し、
わけもわからず何かを追い求める。
それが、若さだ。
青春だ。
人生だ!
ボーリョク的で、グチャグチャな映画だけど、
愛すべき一編。
生きていくって、恥ずかしい。
生きていくって、汚い。
でも、
楽しくていとおしい。それが、人生。
これは映画館で、大音響で、真っ暗の中見てください。
体の中に、ロックを、パンクを、しみこませてください!
- 映画
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