細雪
岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子が扮する
大阪の資産家四姉妹を軸に、
その夫たちが伊丹十三、石坂浩二という豪華キャストで送る、
谷崎潤一郎の名作映画化。監督市川崑。
私は谷崎文学シンパではないのですが、この映画には、まいりました。
とにかく映像が美しい。
四姉妹それぞれの装いが、
古い家屋の暗がりの中で光り、緑の中で映え、
美しい面立ちをさらに引き立たせます。
また、ちょっと凝ったセリフがいい。
だあれも本音を言わないのです。
かと思うと、その人の前でも遠慮なくイケズなことをいったり。
彼らの本心を、ちょっとした表情の中から見つけ出すのも
ある意味極上のサスペンスです。
特に、吉永小百合。
1983年。彼女ももうけっこうなトシだったはずなんですが、
前半は女学生のような初々しさです。
しかし純真そうでいて、一番計算高かったのかも、 と思わせる展開が、
彼女から小悪魔的な魅力を引き出しています。
女優ってオソロシイ。
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