テレビドラマにもなった
萩尾望都の短編漫画「イグアナの娘」。
遅ればせながら、読んでみた。
まず、「イグアナ」姿がかわいい。
娘二人のうち長女がイグアナで、どうしても愛せないという母親と、
そのようにして母親に愛されずに生きた娘の話だけに
読む前は楳図かずおの「へび少女」的な暗い調子を想像していたが、
あにはからんや、
愛に飢えた人々の心情には丁寧に寄り添いつつも、
幼稚園のエプロンや一年生の黄色い帽子を身につけたイグアナは、
思わず応援したくなる愛らしさだ。
トーンもコミカル。
短編ということもあり、
「だとさ」といった、童話調のコント的な簡潔さが
物語の進行をリズミカルかつコンパクトにしている。
クライマックスは、母親の死によって明らかになる「愛されなかった理由。
イグアナという、エキセントリックな設定で
母親と娘の永遠の問題を描いた萩尾望都の着眼点に、拍手。
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