「考える人」で有名な彫刻家ロダンに見出され、
彼の片腕となり愛人となり、
そして捨てられた女性彫刻家カミーユの物語それが「カミーユ・クローデル」です(1989)。
ロダンの大作「カレー市民」(「考える人」もその一部)の群像のうち、
何体かはカミーユの作だと言われています。
今だからこそカミーユの芸術は正当に評価されていますが、
「弟子」で「女」って、
パワハラとセクハラのてんこ盛りみたいなもんですから。
最初彼女は、「手伝ってる」「信頼されてる」「任されている」という気持で、
幸せだったかもしれない。
でも、どんなにいい作品を作っても、作者は「ロダン」になってしまう絶望。
いわゆるゴーストライターの悲哀です。
そこに、正妻との確執があり、
不倫オトコにつきものの優柔不断があり・・・。
「ロダンが自分のアイデアを盗みにくる・・・」
彼女はだんだん妄想の中に取り込まれていくのです。
激しく愛と評価を求めるカミーユの狂気を、イザベル・アジャーニが演じ、
これでもかというほど観る者の心を揺さぶってきます。
煮えきらぬロダンにはジェラール・ドパルデュー。
名声を得たオトナの男のいやらしさ、にじみ出てきます。
パリのロダン美術館は、ロダンが住んでいたところです。
映画の中にも出てきます。そこでカミーユが愛をはぐくみ、
最愛の男とともに、作品を作り上げた場所。
一度は行ってみたいと思っています。
*2006年11月6日のMixi日記をもとに書きました。
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