【世界名作映画DVD】オリバー・ツイスト
日本でも名作がよくドラマ化されるように、ディケンズの名作である
「オリバー・ツイスト」も、イギリスで何十回もドラマになっているそうです。
私が初めて見たものも、そうしたテレビドラマのひとつでした。
子どもが背負うにはあまりに過酷な日常を描きながら、
いつもどこかで救いの手が差し伸べられ、
はらはらしつつもほっとできるシーンがあって、
精神的にほっとした覚えがあります。
最近、ロマン・ポランスキー監督の新作が公開されました。
主人公オリバーの「出生の秘密」にはまったく触れず、
一人の孤児が運命に翻弄されながら、幸運をつかむまでに絞込み、
その過程をリアルに描いています。
19世紀のイギリスが、「はずれた者」にとってどれほど厳しい世界だったか。
ポランスキーがリアルさにこだわるのは、やはり彼の生涯に起きたさまざまな苦難の反映のような気がします。
だから、映画全般、希望の持てない展開です。
最後にオリバーは幸福になりますが、どんなに裕福になっても、
心に受けた深い傷は、いつまでも消えない、
そんな示唆を予感させて物語は終わります。
特筆すべき俳優は、スリの元締めフェイガンを演じたベン・キングスレー。
「アマデウス」での、晩年サリエリも真っ青の、身の毛もよだつ怪演ぶりです。
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