「ギルバート・グレイブ」は、アメリカの田舎町の、貧乏な一家族の話です。
ギルバート(ジョニー・デップ)の家にはありったけの不幸が詰まっていた。
父の死。
母は心の空洞を満たすために食べ続け、200キロの巨体をベッドに横たえる。
知的障害の弟(レオナルド・デカプリオ)もいる。
ギルバートはその稼ぎ手として、保護者として、懸命に家族を支える。
そこには愛があるから。
けれど、若者らしい夢とか、自分だけの希望とか、
そんなものはとうに求めなくなっているギルバート。
そこへ、トレーラーハウスで祖母と旅する一人の女の子がやってくる。
ギルバートに、ふつうの若者の恋はできるのか?
私がもっとも印象深い場面は、
母親が亡くなっても、巨体すぎて遺体を家の外に出せなくなるところ。
周りの人の反応とか、ギルバートの決断とか。
初めてこの映画を観た時は、デカプリオが、真に迫った演技をしていて
「彼ってただのイケメンじゃないんだー」とびっくり。
でも、それまであまりよく知らなかったギルバート役のオトコが、
すごく心に残りました。デップなんだもんね。やっぱり光ります。
彼はチェロキーの血を引いていて、社会的にかなり厳しい生活を送っていたようです。
でも、家族の絆は強かった。
途中で両親は離婚、父とは離れて過ごします。
「珍しく“素”で演じているデップ」と評されることの多いこの作品。
彼にとって、ギルバートは分身のようなものだったかもしれません。(1993)
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