実在のピアニスト、デビッド・ヘルフゴッドさんが、
精神を病んだあと、いかにしてまた演奏活動をするようになったかを、
ユーモアと温かさで描いた作品(1995・オーストラリア)。
貧しくも誇り高いユダヤ移民である父・ピーターとの愛と自立への確執が、
ピアニストとしての成功への脅迫観念となり、
次第に精神のバランスを失っていく。
青年期のこうしたデビッドを、ノア・テイラーが熱演。
中年以後のデビッド(ジェフリー・ラッシュ)の明るさと
鮮やかなコントラストを作って胸に響く。
ジェフリー・ラッシュは
ほとんどホンモノ?と思えるくらいの役作りで、
「精神障害者」ではなく「ちょっと人の助けがいる天才ピアニスト」
の存在感を出している。
そして、父親役のアーミン・ミューラー=スタールが素晴らしい。
苦難の道を生き抜いてきた自分を支えてきたものを頑なに守り、
息子を愛しながら、息子を受け入れられない孤独。
彼のスクラップブックが、溢れんばかりの愛情を示しているのに。
たくさんの難しい問題を描きながら、
音楽と人の気持の温かさが観る人を幸せにする、
一度は観てほしい映画です。サントラもいいですよ。
「シャイン」オリジナル・サウンドトラック
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