才能ある女性が、才能ある男性に惹かれる。
それは、多分自然なこと。
でも、同業者が切磋琢磨しながら夫婦でもあり続けることは、
ときに地獄でもある。
女性にとって、結婚とは生活。
家事をこなして、子どもを育てて、夫の詩作を支えるために日銭を稼いで。
そして詩を書く。
できますか?そんなこと。
「シルヴィア」は、
死後ピューリッツァー賞を贈られた、天才女流詩人シルヴィア・プラスの
愛情と詩作の物語。
プロデューサーのアリソン・オーエンは、
シルヴィア・プラスの詩に出会って大学の専攻を変えているという。
大切なミューズについて、
美しくこわれやすいガラス細工を扱うように、
丁寧に、でも核心を過たず、描いている。
一人の人生をたった2時間弱であますことなく語れるはずもない。
けれど、アリソンの、シルヴィアに対する尊敬と愛情は、
シルヴィアの痛みとともに確実に観る者に伝わってくる。
「天才詩人」の物語であると同時に、
自分自身に嘘をつかず生きたいと思っているすべての女性の物語にもなっているのが
この映画の泣かせるところである。
グィネス・パルトロウが、知的で繊細な主人公を好演。
グィネスの実の母ブライス・ダナーがシルヴィアの母親役で出演しているのも珍しい。
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