ユー・ガット・メール
メグ・ライアンとトム・ハンクスの共演した、Eメールの匿名性を仕掛けとしたすれ違いドラマ(1998)。
お互い心を開ける相手としてメールのやりとりをしている
「ショップガール」と「NY152」は、
やがて小さな本屋の店主と大規模書店チェーンの社長だとわかる。
最初は仕事のことしか考えていないような男ジョーが、
キャスリーンと出会うことで
「本屋」を「商売の道具」から「子どもの心を育てるもの」と
考えを変えていくプロセスがいい。
しかし小さな本屋を守りたいと思いながら、
やはり世の流れを堰き止めることは、誰にもできない。
メールを受信すると男性の声で「You’ve got a mail」と知らせてくれる
AOLを始めとするメールサービスが、日本でも普及した頃。
以来TVドラマなどではこれを道具にしたストーリー展開が
わんさと出てくる。
そういう意味では、先駆的な代表作といえよう。
ただ映画公開後、ワーナーブラザーズの親会社「タイム・ワーナー」が
M&Aによって「AOL」と合併された時には、
それで「You’ve got a mail」だったワケね、と妙に納得してしまった。
つまり、本屋のお話は、
一方で「IT会社」が「映画」という文化を買収しちゃった、
という現実と重なるワケで。
その後、AOLが勢いをなくし、
(やっぱりビル・ゲイツの独占商法には勝てなかったのねー)
合併は解消されてしまったことを考えると、
この映画の「あだ花」的側面に、ちょっと嘆息。
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