映画・演劇・本・テレビ、なんでも感動、なんでもレビュー!

  1. 映画
  2. 13 view

「潜水服は蝶の夢を見る」@シネマナビ

雑誌『Wife』の「気ままにシネマナビ」に書いた映画評です。

 潜水服は蝶の夢を見る 特別版 / マチュー・アマルリック
まばたきで綴る心の旅路
監督: ジュリアン・シュナーベル
映画:「潜水服は蝶の夢を見る」
配給: アスミック・エース
ストーリー●
目覚めると、そこは病室。医師が「お名前は?」と問いかける。
「ジャン・ドミニク・ボビーだ」と何度答えても、医師は首を振り去っていく。
「聞こえないのか…」
ジャンは脳梗塞によって、
周囲の状況はすべて理解できるのに、まばたき以外は何も反応できない症状に陥ったのだ。
「生ける屍」のように見えても、
その内側には豊かな感情と、生きる希望があるのに。
彼は唯一の意思表示である「まばたき」で本を書き上げ、それを証明する。
(2月9日よりシネマライズほか全国ロードショー)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この映画は、予告編を観ないでほしい。
すべての先入観を捨て、映画冒頭からジャンとともに目覚め、
ジャンの「目」が見たものだけで、この世界を理解するのが醍醐味だ。
撮影のヤヌス・カミンスキーが、巧みなカメラワークでそれを可能にしている。
ある時は「見たもの」を、ある時は「考えたもの」を、そして「記憶」を、「夢」を…。
突然鏡に写った今の自分を見た時の絶望を。
「潜水服」を着込んだ閉塞感を。
美しい色彩とエスプリの利いた笑いが、テーマの重苦しさなど吹き飛ばしてくれる。
ジャンは実際に「ELLE」というフランス屈指のファッション雑誌の編集長をしていた。
20万回のまばたきで綴った自伝を映像化したのが、この映画である。
*日記に転載するにあたり、Webで読みやすいように改行などをしました。
*「気ままにシネマナビ」については、フリーページをご参照ください。

映画の最近記事

  1. 「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」

  2. 紀里谷監督のインタビュー記事をアップしました

  3. 「FOUJITA」~藤田嗣治の戦争画を考える

  4. ガメラ、ゴジラのいる映画館前のレッドカーペットを歩く

  5. 「ザ・ウォーク」

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。


Warning: Undefined variable $user_ID in /home/nakanomari/gamzatti.com/public_html/wp-content/themes/zero_tcd055/comments.php on line 145

PAGE TOP