上野の東京都美術館で、1月24日から始まったルーブル美術館展。
ポンパドール夫人によって花開いたロカイユ文化(ロココ調)は、
贅沢も遊び心もここに極まれりといった、華美にして華麗な装飾の数々。
そのあまりの「非道徳」(素っ裸が多い!)、
あまりの「非論理性」(いきなり怪物、いきなり動物)に対抗して勃興した
「新古典主義」文化は、
フリフリ装飾が少し削ぎ落とされてラインはすっきりしたものの、
金キラキンの豪華さはかえって増した感じがありました。
最後の王妃マリーアントワネットの時代になると、
さらに調度品はシックに。
「この椅子、このテーブル、一つでいいから欲しい!」と思ってしまいます。
一方で風刺されるほどの高さに結った髪型(どーやって寝るの?)とか
爛熟・頽廃・革命前夜の匂いを発している。
「MA」のイニシャルが入ったアントワネット専用の品々も見所ですが、
白眉は嗅ぎ煙草入れとボンボン入れ。
金とダイヤで作られ、時に深い褐色の鼈甲や水晶もあしらわれています。
小さいものながら、「実用を通り越した贅沢さ」」で、
贈答品として、大変好まれたようです。
嵌めこまれた細密画にも目を見張りました。
ルーブル宮などの風景画、
神話から題材をとったもの、
そして、肖像画。
肖像画の場合、使う人の肖像画をつけて贈るのか、
「ボク(または私)のことをいつも思い出してネ」と自分の肖像画をつけるのか、
とか、
いろいろ想像してしまいました。
(結婚式の引き出物みたいに、夫婦の肖像画付、というのもあった)
ミュージアムショップも充実していました。
ベルばらキッズの紹介するベルサイユ、というパンフレット(1000円)が
(アントワネットの時代のものに特化してはありましたが)非常によくまとまっていて、
いい図録になっていたように思います。
1月24日に始まったばかり。4月6日まで。
調度品など小さいものに装飾がほどこされているものを鑑賞するので、
こじんまりした雰囲気。
混雑の予想される春休み前をおすすめします。
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