私は「セーラームーン」のエンディングテーマが好きだった。
月野うさぎが制服姿で道を歩いていくだけのビジュアルに重なる「乙女のポリシー」。
うさぎの歩く速さがどんどん早くなって、最後は走るようにして進む。元気が出た。
「どんなときも絶対あきらめない」「こわいものなんかない」「大きな夢があるよね」
「いつか出会う大事な人のために」「なりたいものになる」「がんばる人がいいよね」
ミニスカートのセーラー服とか、一見オトコ目線のキャラのようでいて、
「セーラームーン」は画期的なアニメだったと思う。
なんせ、「やっつけるヒーローは男、守られるのは女」を真っ向から斬って捨てたんだからね。
https://www.youtube.com/watch?v=kQgsizONcU4
最近発売されたHKT48の7thシングル『74億分の1の君へ』で、
そのTYPE-Cにカップリングとして収録された『アインシュタインよりディアナ・アグロン』の歌詞が、
あちこちで物議をかもしている。
「頭からっぽでいい」「女の子は可愛くなきゃね 学生時代はおバカでいい」
「どんなに勉強できても愛されなきゃ意味がない」
「世の中のジョーシキ 何も知らなくてもメイク上手ならいい」
「女の子は恋が仕事よ」「ママになるまで子供でいい」
世の中にはいろんな歌があっていいし、いろんな意見があっていい。
その前提は前提として。
女の子に男性の幻想を歌わせるのは昔からあるけれど、
ここまであからさまに「女の子は頭からっぽでいい」は最近珍しいのではないか。
秋元康の作詞といえば、
NHK朝の連続ドラマ「あさが来た」の主題歌AKB48の「365日の紙飛行機」が頭に浮かぶ。
「なんで男兄弟は勉強しろと言われるのに、女は勉強したら怒られるの?」という疑問を
押し殺さず、道を切り拓いていった明治のヒロインは
この歌を聞いたらなんとおっしゃるだろうか。
女の子は男に媚びなんか売ってる暇はない!
頭空っぽにしてたらいい男になんか会えない!
「乙女のポリシー」は「ピッと凛々しく」なんだよ!
…と、私は思うのであります。
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