久々に、テレビの音楽番組で燃えた!
深夜の音楽番組「カウントダウンTV」の15周年を記念して、
ゴールデンタイムに長時間生放送でライブを流している。
こんなにワクワクしたのは、10年前の「ミュージックステーション」ライブ以来。
あの時は、B’zが全盛だった。
CDとは違う、ライブならではの歌い方で何曲も歌うB’zに背筋がゾクゾクして、
その結果、
私は早朝からチケットぴあの店頭に並んでチケットゲット、
本当のライブにも行ってしまったほどである。
今日、当時流行った歌を連続して聞いていると、
なるほど「世紀末の文化爛熟」というものはあるんだな、と改めて思う。
1998年から2000年というのは、
J-popにとって確かに一つの黄金時代だったと確信する。
そして、
今また、次の黄金時代が来ている予感。
この前アヴリル・ラビーンの歌を聞いたけど、
まったく平面的で何の感動もなかった。
彼女の歌だけで「アメリカ」を語るのはルール違反だろうけどね。
(彼女、カナダ人だし)
私はアメリカンポップスやロックで音楽を知った世代だから、
彼らの層の厚さもわかっているし、
洋楽への信奉は篤いほうだが、
それでも今のJ-popの歌詞の深さ、楽曲のよさは、
バラエティの豊富さ、歌のうまい(あるいは味のある)歌手の多さも手伝って
一つの高みに達していると断言できる。
今夜のライブ、
白眉はコブクロと絢香のコラボ「あなたと」と、ポルノグラフティの「アポロ」、
そして圧巻は、
ミスチルの3曲連続ライブだ。
「イノセントワールド」の熱唱もよかったけれど、
今年の曲「GIFT」と「HANABI」は、詞が生み出す世界が抜群。
北京オリンピックのイメージソング「GIFT」は、
「一番きれいな色ってなんだろう?」で始まり、
「白か黒か」決めろといわれて戸惑い、
「白と黒の間に無限に広がる」色の美しさに気づく。
大好きな人に一生けんめい贈り物をしようとする恋心の歌でありながら、
聞く者にメダルの色を意識させ、
メダルや、メダルを贈る行為が意味するものを考えさせる、
深い歌詞だ。
かたや「HANABI」は、最近までオンエアしていたドラマ「コードブルー」の主題歌。
「みんな悲しみを抱いて生きている」けれど
「明るい明日を願っている」
ダメだと思っても、
サヨナラが待っていると知っていても
それでも何度でもトライしようと前向きに生きようとする歌だ。
「もう一回もう一回、もう一回もう一回」というフレーズが好き。
ドラマの内容とオーバーラップして、説得力を持ち、
その一方で、自分への励ましの声のようにも聞こえる。
この二重三重の歌詞構造によって、
桜井くんのメッセージはいつもしっかりと聞き手に届くのだ。
かつてサザンの「TSUNAMI」が爆発的なヒットを記録した時、
そのちょっと後ろをミスチルの「口笛」が追っていた。
どちらもいい歌だったけれど、
私は「口笛」の方が「攻めている」と思った。
「TSUNAMI」はサザンの音楽の総決算的なニオイ。
どこかで聞いた、とはいわないが、
聞いていて着地点が見える、安全・安心なメロディ。
対して「口笛」は、
新しい音楽、新しいメロディライン、新しいハーモニーを求め、
ミスチルが上へ上へともがきながら形になった、
その鋭いエッジに21世紀への予感を感じたものだ。
奇しくも、
今年サザンは休止を決めた。
それもあってかサザンは今夜4曲を歌うが、そこに「お疲れ様」の匂いが漂う。
10年前、私を狂喜させたB’zは、今夜のライブに参加しなかった。
もう数年前から曲想が似かよって新鮮味をなくしている彼らは、
今年さらに”ウルトラ”ベストアルバムを発表した。
そんな中で「現在」を模索し、さらに新しい自分をつかもうとしている
21世紀旗手・Mr.Children。
彼らの次の曲から、目が離せない。
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