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及川浩治の「激情のリスト」


初めて及川浩治のピアノを聞いたのは、
熊川哲也がサントリーホールで開いた一夜限りのコラボ「One Night Stand」。
その時、
熊川が及川の生ピアノ・バッハのゴールドベルグ組曲で踊ったのも素晴らしかったのですが、
及川単独で弾いたリストの曲に、私は吹っ飛んでしまった。
リストのピアノ曲といえば「愛の夢」など、
聞いている分には非常に心地よい。
でも実は、演奏がものすごく難しい。
超絶技巧の連続。
だからこそ華やかできらびやかで、いかにもリサイタル向きだけれど、
実際に弾いているのを聞くと、
もう、譜面どおりに進むのが精一杯、という人が多いのだ。
私はそれまでナマのリストに感動したことはなかった。
その私が、
及川浩治のリストに震えた。
何重にも敷かれたサブの旋律にくるまって、
メインのメロディがしっかりと聞こえてくる。
「全力投球」一歩手前、ちょっと余裕のパフォーマンス
・・・に見えるところが、
サロンで活躍したというリストにふさわしい雰囲気。
帰りに買ったCDがこの「激情のリスト」なのだ!
彼は、コンサート数が多いのでも知られる。
オーケストラとともに協奏曲を弾くことも多いけれど、
クリスマスになるとやるカテドラルでのピアノだけのリサイタルも有名。
私は目黒(白金)の旧朝香宮邸である
庭園美術館
の館内で催された連続リサイタルにも行きました。
いつもは美術品が置かれている広間にグランドピアノが設置され、
その前に椅子が何十と並べられる。
ピアノと同じ平面で聴く演奏形態は、
映画などで見たことのある「貴族のサロンで聴くピアノ」と同じ。
リストの時代を、少し体験できたかな。
彼は、「超絶」難曲がお好きらしく、
バレエ組曲「くるみ割り人形」もよくやります。(クリスマスは特に)
「一人オーケストラ」みたいな指も腕もこんがらがってしまいそうな曲ですが、
「この重厚な音楽を、一人の人が弾けるんだー」と感動しちゃいます。
もう1枚、
ラフマノニフ:ピアノ・ソナタ第2番/前奏曲/楽興の時/音の絵@及川浩治(p)」も買った。
これに入っている「ヴォカリーズ」が大好きな曲だったから。
こちらもおススめ。

及川さんは、今年はベートーヴェンのコンサートとピアソラへの挑戦が特色かな?
庭園美術館でのコンサートも暮(新館)と正月明け(本館)にあるようです。
詳しくは、及川さんのHPをどうぞ。

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