小塚崇彦のフリーは圧巻だった。
上半身を鍛えて臨んだ今期、本当に身体のバランスがいい。
危ういほど身体をずらしてもゆるがない。
もう一つ、表現に品がある。
小塚は手足が長いから、正攻法のクラシック音楽に乗るとさらに魅力が増す。
私は今までの小塚の、ちょっとヤンチャっぽい振付がなんとも違和感あったんで、
今回のリストの曲でまとめたフリープログラムに大拍手!
リストといえば、真央ちゃんのフリーもリストだった。
ジャンプ失敗を重ね、5位に終わってしまったけれど、
彼女の表現力の高さに改めて感動した。
彼女の動きにも、ものすごく品があるの。
彼女は小塚選手と同じ佐藤コーチのもとで練習している。
一歩一歩たしかめるようにして積み重ねることを
今彼女はしているのではないだろうか。
外国人のコーチは年俸制の上に結果を出せばボーナスという
いわゆる「請負人」的な側面がある。
今年はオリンピックイヤーでもないし、
じっくりと先を見据えるビジョンをもって複数年でサポートできる体制がいい。
身体も変化する時期だし。
常勝を求める周囲に応じすぎて大事なものを忘れないようにしてほしい。
今回のフランス大会には村主も最終滑走に残った。
29歳で滑り続け、常に新しいことに挑戦する村主のガッツに感服。
あきらめない人だけが残れる。
真央ちゃんも、ここがふんばりどころでしょう。
真央ちゃん、きれいになったな、と思う。
壁にぶつかったり失敗すれば、顔にも憂いが出るというもの。
人間、複雑な表情をもった顔になるほうがいいし、
その上で再び輝いたら、そのときはもう本物だもんね。
グランプリ・ファイナル出場を決めた小塚の言葉も印象的だった。
「昨年は初めてファイナルに出させてもらったんですが、
今年はちゃんと準備して、去年のようにポット出ではなく、
しっかりした滑りができると思う」
すごいよね。
無我夢中なうちは怖いもの知らずだからこその強さ。
こわさを知って、追われるつらさを知って、
それでも自分の思い通りに滑る力がついて、本当のチャンプである。
ああ、今年のファイナルはすごいですよ~。
男子も女子も、6人中3人日本人ですからね~。
「1国2人まで」とか、日本バッシングのルールができる前に、
思う存分闘ってくださいね~!
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