1月から、NHKのBSで、
毎週土曜の夜8時から、「刑事コロンボ」の再放送をやっています。
「再放送」ったって、
何十年も前のドラマシリーズの再放送は、あまり例がない。
私が高校生くらいのときにやっていたドラマですからね。
今では珍しくもありませんが、
「先に犯人のメンが割れて、そこから始まる逆算サスペンス」の
元祖です。
犯人が作家だったり政治家だったり俳優だったり、と、
知的レベルも生活レベルも高く、完全犯罪をもくろんでいること、
そこに斬り込んでいく「コロンボ」は、
風采上がらず万年刑事といういでたち。
どこか慇懃無礼で、思わず犯人を油断させる物腰。
「うちのかみさんが」
「どうしてもわからないんですが」
「もう一つ、いいですか?」
が口癖。
今見ると、ちょっと古臭い部分もあり、
またあまりに稚拙と思えるくだりも多いのですが、
気がつくと、最後まで見てしまいます。
ヘビのようなコロンボ警部のくらいつき方に
やっぱり魅力があるのでしょうね。
私たち日本人にはわかりにくいですが、
「コロンボ」という名前からわかるラテン系移民のコロンボが、
WASP系の金髪アングロサクソンたちが、
成功者でありながら何食わぬ顔して犯罪の上塗りをし、保身しようという、
その厚かましさに対し一矢報いる、
そこが一般大衆にしてみれば、胸のすく感じだったのかもしれません。
子どもたちには、
「古畑任三郎」は、この「コロンボ」がヒントだよ、と言って見せました。
オンボロ車は自転車に化けてはいますが、
そのほとんどを踏襲しております。
古畑にあってコロンボにないものは、
西村雅彦扮する今泉くんというキャラクターでしょう。
これは、三谷幸喜のオリジナル。
そして、
人種などによる恨みつらみはなくなって、
単に「謎解き」と「完全犯罪をもくろむ人間の悲哀」に絞ったところが、
また現代の日本に大いにフィットしたと思います。
どちらも、名作。
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