三谷幸喜脚本のテレビドラマ(2000)。
滝沢馬琴の「南総里見八犬伝(1)」のキャラ設定を流用しつつ、
山あいの小さな村で起きている土壌汚染問題を扱う、という奇妙キテレツな発想は、
一体どこから生まれるのでしょうか?
村の大切な池がおかしい、産廃業者が原因では?と、
主人公の香取慎吾は村を代表して東京に弁護士を探しに行きます。
あちこちで散々断られた挙句、見つけたのが役所広司。
ところが、この人、弁護士じゃなくて、弁護士を演じていた俳優だった!
・・・・・・というカンチガイから起きるドタバタです。
「バグズ・ライフ」と同じ構造ですね。
間違えて連れてこられちゃったよそ者が、すったもんだの末、
問題解決に力を発揮するというストーリーです。
私が一番好きなのは、「どう裁判を乗り切るか」で、参謀役が村に呼ばれるところ。
この「参謀」が、なんと、脚本家なんです(山寺宏一)。
役所広司が役者とわかっても何とかしようとしている慎吾くんも、
金髪にアロハのヤマちゃん登場で、さすがに「えー??」ってのけぞるんですが、
「ボクは裁判モノのドラマを100本は書いた。たくさんの事件を取材した。
裁判のエッセンスはこの中に全部ある!」と、
ヤマちゃんは言い切ります。
そして、本当にどんどん判例を探し出し、優れた「参謀」として彼らを支えるのです。
弁護士じゃないのに、弁護士活動できるのか?
村のみんなをだまし通せるのか?
最後に「正義」は勝つのか?
三谷幸喜お得意のシチュエーションコメディ爆発。
そして最後はあったかい気持ちになる、秀作です。
但し、坂本九がナレーションをした辻村ジュザブローの人形劇(NHK)を観た人たちには、
最後に大向こうの悪役たちがちょっとヒヨッちゃうのが、許せないかも。
あくまでも、「八犬伝」は「下敷き」です。
*2006年10月6日のMixi日記をもとに書きました。
「合言葉は勇気」のDVDが出ていますが、
楽天ではヒットせず、amazonでは在庫切れだったのでリンクしませんでした。
*「バグズライフ」については、明日書こうと思います。
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