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「SHOCK」の舞台裏@NHK特番

「堂本光一 すべてはステージのために~究極のエンターテインメント『SHOCK』~」(NHK総合、8/18)を見た。
第一幕終盤、
15分の殺陣シーンを全力を出し切って終えた堂本光一が、
舞台から捌けた途端にスタッフに抱えられて楽屋まで戻る、
という話は、以前から聞いていた。
聞いていたが、
実際にその様子が映し出されると、
甲冑に身を包み、顔中血だらけ(もちろん血のり)の男が両脇を抱えられ、
一歩も足を自力で踏み出すことができずに引きずられ、
人目もはばからず、「はあ、はあ、はあ…」と大声で叫びながら息をするところは、
戦いの直後の武士とは本当にこういうものなのではないか、とさえ思わせる
壮絶きわまる修羅場だった。
「明日があるとは限らない」
「だから今日の舞台を全力を出し切ってがんばるだけ」
そして「SHOCK」のストーリーのままに「The Show must go on」
彼も足を怪我したまま公演を続けたことがあるが、
今回は内博貴が目の上を切ってしまった。
応急処置をして、視界が狭まった中でも、壮絶な殺陣シーンはやらねばならない。
舞台は、公演は、続くのだから。
内は今回が「SHOCK」初参加だ。
彼の初日の緊張といったらなかった。
開演時刻が迫っても楽屋からなかなか出てこられない。
先輩の植草がわざわざ楽屋に行って声を掛けても、座ったまま動けない。
「こわい…」
本当にこわかったのだろう。
オープニングのダンスシーンの映像。
光一の後ろで踊る白いタキシードの内は、顔色なし。
うつろな目、まったくの無表情でリズムを刻む。
しかし、その後も舞台は続き、芝居も、あの壮絶な殺陣、と進んでいく。
初日を終えたとき、彼は言った。
「前半なんか、何も覚えてない。俺、セリフしゃべっていたのかな…」
そんな恐ろしい場面に、
私は立ったことがない。
何をやっているかわからないような緊張も
何も覚えていないのにも拘らず、ちゃんとやっている、という現象も
私には経験がない。
舞台人とは、一体どんな人種なんだろう。
光一は言った。
「稽古で一度もできなかったことでも、本番一発でできることがある。
 それが本番の持っている力。
 本番の舞台の中でたくさんのことを学び、成長することができる。
 だから、早く本番の舞台に立ちたい」
彼は単に主役なのではなく、この公演のディレクションに深く関わっている。
特に、若手の演技のつけ方についての指摘には舌を巻く。
ロジックであると同時に
「俺の言ったとおりにやらせるだけなら、誰がやっても同じ。
 彼でなければできない役になってほしい」と話し、
共演者の性格や取り組み方を注意深く感じ取りながら、
どのタイミングでどのように方向付けをしてやればよいかを考えて行動する。
これが座長というものだな、と感心することばかり。
「何があっても動じないことがもっとも大切」という言葉も印象深い。
いいカンパニーだ、と再び思う。
ほんとに、ほんとに、あとは歌だけ。
視聴率が低かったようで、それはとても残念。
ジャニーズのファンにも、そうでない人にも、見てもらいたい番組だった。

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