ドイツ気象局の粒子拡散予測が7月で終了してしまうことに対し、
個人メールではなく、アンケートという形にして
日本語のコメントはすべて翻訳してくれて、
ドイツ気象局に持っていってくれた人がいます。
結論から言えば、再開はありませんでしたが、
今後福島の状況が悪化した場合にはすぐにでも始めてくださるそうです。
以下、
その方の気象局訪問報告です。
元情報はずっと気象局の予測をわかりやすく大きくして更新し続けてくれていた
hansaki460さんのサイトです。
太字は、私がつけました。
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Takehiko 氏が、ドイツ気象局DWDと交渉して下さいました。
その経過と結果です。以下、氏の twitterを転載します。
@take2602 Germany
ドイツに住んではや10年。
ドイツに来る前はアメリカとデンマークに住んでいました。
科学者でドイツの大学の教授です。
早くいつものくだらない事をつぶやける日が来て欲しいです。
ギターが趣味。最近はRHCPとPrimusがお気に入り。
◇
ドイツ気象局DWDとアポイントメントが取れました。
Press departmentの責任者とお話が出来ます。日本時間の夜11時になります。
皆様のコメントを翻訳した物をお渡ししてきます。
ちなみに既に9000通のメールが届いていると言っていました。
今から最後の準備(印刷等)を行います
◇
さきほどドイツ気象局DWDから帰ってきました。
プレスの責任者が迎えてくれ、
そのあと実際に予報をしている人たちの部署に連れて行ってくれました。
予報の責任者と会い、
そして実際に予報をしている人達を交えて様々な話をしました。
それでは本題に入ります。現状での継続は無いとの事です。
現在示されているのは月曜部にデータをロードして
バッチかなにかが動いてしまったのが理由のようです。
火曜日には見られなくなるそうです。
それに関しては僕が言うまではDWDの誰も知りませんでした。
定常的な予報はもう行わないとの事ですが、
何かあった時にはすぐに予報計算を始めてくれるとの事です。
実際にどのくらい素早くその計算が再開をされるのかを示してもらいました。
素晴らしいシステムです。
さて、なぜ公開を止めたのかの理由については随分話しました。
主に理由は3つあるようです。
まず第一に、福島原発からの放射性物質の放出が事故当初に比べて減った事です。
第二に、拡散予想の解釈を誤解されることが多いことです。
あれは、
「もし放射性物質が放出されたらどうなるか」という予想であって、
放出されているのではない訳です。
それに関してはサイトにも
ドイツ語と英語でしっかりと注意が書いてありますが、
日本語や日本の近隣諸国での言葉では書いていない為に、
やはりそれを間違って解釈して混乱を起こす事を心配しているとの事です。
実際に日本国内外から沢山問い合わせが届くようです。
その担当者も言っていましたが、
日本のシステムSPEEDIでの情報公開は日本でされるべきではないかと。
これは我々が日本で解決しなくては行けない問題です。
全部で8300以上のメールが日本から届いたそうです。
目は通しているように思いました。
今回印刷して感謝や要望を持って行ったのを非常に喜んでいました。
翻訳も非常に喜んでくれていました。
メールで見るのと紙として実際に見るのとでは全然違うし、
顔を合わせて話しに来たのもとても喜んでくれていました。
そして彼らの仕事が役に立ちされ感謝されている事を正直に喜んでいました。
どの人たちも素晴らしい科学者だと思いました。
もしまた大量の放射性物質が放出されたりした場合は
すぐにでも始められるとのことです。
もちろんドイツ政府からの指令が必要になりますが、
ドイツ政府はそういうことに関しては信頼できると思います。
DWDのモニターシステムには
福島や周辺の放射線のIAEAからのデータが入っていて
彼らはモニターをしています。
よって有事の際にはすぐにでも計算を始められるとの事です。
とにかく担当者の方々は非常に難しい決断だったと何度も言っていました。
話し合いのあとに
彼らの放射性物質のモニター観測システムを見学させてくれました。
素晴らしいシステムです。
僕は一応最先端の研究所で研究をしていますが、
僕から見てもすごいと思いました。
多数のゲルマニウム検出器が電気冷却システムで動いています。
空気中の物質をエアロジェルで吸着して測定しています。
プルトニウムや重い核からのアルファ線を測る装置、
ストロンチウムなどのベータ線しか放出しない核を測定する装置、
化学分析をして微量の放射性物質(マイクロベクレル)を測定する装置
などを見せてくれました。
そのようなシステムがドイツ中にあるとのことです。
もちろんチェルノブイリでの経験がドイツにはあるので、
日本と比べることはできませんが、
果たして日本の25年後に同じようなシステムがあるのかどうかは
疑問です。
どれを見てもさすがドイツだなと思いました。
全てがしっかりと考えられています。
そして同じような理想像を共有して、前に進んでいます。
自分がなぜドイツが好きなのかを改めて認識しました。
やはり我々は日本政府をもっと動かさなければいけないと思いました。
情報公開をさせなくてはいけないと思います。
政府を動かす事に力を結集させなくては行けないと思いました。
批判だけではなく、どうにかして変えて行く事を建設的に考えないといけない
と思っています。以上です。
最後に、
今回様々な人に協力をして頂きました事に関して
感謝の気持ちを表明させて頂きます。
そして、DWD行ったにも関わらず
再開という事にこぎ着ける事が出来なかった事をお詫び申し上げます。
書き忘れです。
DWDの予報が、生活に密着している、
例えば子供の外出を決めるとか洗濯物を外で干すかとかの指標になっているという事は、
DWDに人たちは全く予想も出来なかったと言っていました。
以上。
やはり正式な再開ではなかったようですが、
ご尽力いただいたTakehiko 氏に、深く感謝します。
氏の twitter は、http://twitter.com/#!/take2602 です。
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takehikoさん、本当にありがとうございました。
hansaki460さんも、4カ月以上、毎日ドイツ気象局の情報を更新してくれて、
ありがとうございました。
そして、
ドイツ気象局の方々、本当にありがとうございました。
私たちは、3月11日以降、
一人ひとりの義憤と良心と、それによって動かされるまっすぐな気持ちで、
今、生かされているのだと思います。
災害の現場でも、
事故の現場でも、
医療の現場でも、
子育ての現場でも。
今、私に、できること。
それを結集して、この難局を生き抜いてまいりましょう。
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ドイツ気象局にアンケートを渡してくれた人
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