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「年収1000万!稼ぐ『ライター』の仕事術」


年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術
魅力的なタイトルである。
ライター業で1000万??
そこに引かれてと、
「ふ~ん、ライターって1000万稼げるんだ~」と思ったアナタ、
それは、大きなマチガイ。
この本でも、最初のページに書いてある。「いばらの道」って。
ライターの平均収入は400万円前後。
(年収1000万のこの人も入って、ですからね、平均だから)
5年以内にライターの半分が廃業している。
こういう世界だということを最初のページで踏まえさせた上で、
敢えて「1000万」稼ぐためには、という本を書いている著者。
それも、ライターになって2年目で!!!!
コトの発端。
カレは1年目に1000万を稼ごうとしていた。…最初っから目標がデカイ。
だが、がんばったにも拘わらず「700万しか稼げなかった」。
「700万稼げればいいじゃん」
…と、思う人もいるかもしれない。
でも、フリーランスの実質収入は、手にしたおカネの半分くらい。
なぜなら、
必要経費のほとんどがが自分持ちだからだ。
通信費から紙代から名刺代から、
パソコン使う電気代まで、すべて自分のサイフから出ていく。
取材先へ赴く交通費だって「経費込み」の売り上げであることの方が多い。
(「交通費は別」といわれると、ホントにほっとする)
もちろん、時間調整で入った喫茶店のコーヒー一杯も、ジバラ。
打ち合わせのたびに「ここはいいですよ」と会社の経費で落とせた時代とは違う。
すべてジバラ、が基本。
だから、
サラリーマン時代と同じ生活がしたいと思ったら、
その当時の倍の年収が必要だ。
仕事したら黙っていてもおカネが入るわけではない。
入金は納品してから1、2ヶ月後だし、
請求しなければ、そのまま、という会社もある。
だから
ライターはものを書くだけでなく、
経営者としての手腕も問われる。
営業能力も必要。
受付業務もちゃんちゃんこなせないとダメ。
会計もしっかり管理、売掛金の回収や節税、経費節約にも目を配らねば、
「こんなに忙しいのに、なんでおカネが入らない?」と嘆くハメに陥る。
その上、
今年と同じ年収が来年約束されているわけではない。
年収に応じて生活を変えられる独身はまだいいとして、
家庭持ちは本当にタイヘンだ。
それまで新聞社などで「書いて」「編集して」高給をとっていた著者にとって
この「700万」はかなりへこんだ数字だったのだろう。
私も「ライターだけで食っていける」人って、相当な人だ、というのは実感している一人。
だからこそ、
「1000万」は別としても、
「稼ぐライターの仕事術」というタイトルには学ぶものを感じて手に取った。
この人、
ライターとして独立したのは38歳で遅いけれど、
それまでの経歴が「社内ライター」みたいなものだった。
だから強い。
有名人へのインタビュー経歴、数知れず。
なるほど、カレにとっては「1000万」もユメじゃないかも。
しかし、そこで「カレは特別」と突き放してしまったらおしまいだ。
何とか自分との共通点を見つけよう。
読んでみると、
前半は「ライター初心者が陥りやすいチョンボ」について、しっかりとアドバイス。
「そうそう」と思うことが満載。
「それ、私ちゃんとやってる」と思えることも多々あり、これはちょっぴりホッとするところ。
でも、「ちゃんとやってる」つもり、がアブナイ。
たとえば読んでいて「取材が終ったらすぐに報告」というくだりがあり、
「あ! 今日まだメールしてない!」と一瞬蒼白。
そのクライアントとの初めての仕事の時は、直後に連絡していたのに…。
そういう気の緩みに、カツを入れてくれる、いい本である。
中盤は、
「同じところからまた仕事を頼まれるライターになるため」に必要なことについて。
「またあなたに頼みたい」「あなたでなければ」と思わせら、
間断なく仕事が入ってきますよ、と。
また、書籍の仕事と雑誌の仕事の配分など、戦略的な仕事の組み立て方も書いてある。
1000万には程遠いが、
自分なりの目標に向かって「がむしゃらに書きまくる」時期から、
「展望をもって仕事をする」段階への脱皮は、
現在私が考えていることにジャストミート!
だからこのあたりはとても参考になった。
後半は、
「原稿を書かないライター」になってさらに効率を上げる方法の伝授。
つまり、
どんなにがんばったって、ものかきっていうのは時間単位の効率が悪い、と。
一つの企画をいろいろ使いまわしする(決して同じ原稿を使いまわすのではない)
から始まって、
出した本の内容で講演会を開く、とか、講師になる、とか、
いいスタッフをみつけて1冊の本を仕上げる時間を短縮する、
ライターから編集にまわる、などなど。
このあたりはまだまだ直接的に自分とは重ならない部分が多かったけれど、
「書くだけ」にとどまらず、プラスアルファの可能性をいつも頭の隅においておくことが
大切だな、と思った。
自分であーでもない、こーでもない、とアタマをひねってこれからのことを考えていたので、
いいアドバイスをたくさんもらった感じ。
「これでいったらどうだろうか?」と思っていたことに背中を押してもらったし、
「そうか、そういう手があったか!」という発見もあった。
少なくとも、今まで自分がやってきたことは、そうそうマチガイじゃなかった。
それを確認できただけでも、
かなり気持ちが楽になった1冊でした。
なんといっても、ライターは一匹オオカミなので、
「上司」に怒られたりおそわったりする機会がないんですよ。
先輩、
自分の体験を惜しげもなく披露してくれて、本当にありがとうございました!

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