最初は50円だった。
次は、2670円。
そしてとうとう、12600円!
・・・に増えたといえば増えた、わらしべ長者、
しかし、減ったといえば減った、わらしべ貧者。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最初に手にした本は、
岩波新書『京都』の古本。
たったの50円で買ったが、本当に素晴らしい本だった。
この、教養あふれる文章、誰が書いてるの??
林屋辰三郎。
知らない人だ。
丸山応挙の「真作」を全部見て、どんな落款が押されているかを
「たわむれに」調べたっていうこの人、何者??
昨日、神保町の古書店で、
「林屋辰三郎」の名前を見つける。
『中世藝能史の研究』。
昭和35年の本だから、活字が古い。
『京都』もそうだから、ガマンするか。
私が知りたかった、室町あたりの芸能(猿楽から能へ)について、
とても詳しく書いてある。
研究書だから、ずっしり重い。
でも、林屋さんだし。
かなり迷った挙句、買った。2670円也。
会計を済ませて、帰る前に、もう一度店内をまわる。
また、見つけたよ! 林屋辰三郎!
「日本芸能史論」全三巻。
序文を読んだら、出版社の都合で絶版になった昔の2冊に、
新しく1冊書いて、3冊としたという。
日本芸能史論(第1巻)「座の」環境
日本芸能史論(第2巻)「数奇」の美
日本芸能史論(第3巻)「手」の芸術
そして極めつけの一文。
「『中世芸能史』に詳しく書いたことは省いた」!!
じゃ、これも買うしかないじゃん。
12600円。当時の定価より、1000円高い。当時はなかった消費税分?
・・・どーしよう??
「かぶきの成立」とか、おもしろそうなんだよねー。
日本の演劇が「座」を中心に発達したのはどういう経緯か、とか。
おもしろそうなんだけど、
高いし、重いし、う~ん、最後まで読みきれるのか~?
結局、買いました。
でも、さっきの2670円で、サイフにそんな残りはない。カード。ひぇ~。
たった50円で気軽に買った知恵の実。
実は、中毒を起こすキケンな果実だったのね・・・。
全部で15000円以上使ってしまった・・・貧者だ。
いやいや、豊かになったと思おう!
・・・読めば、の話。
ホントに本が自分のものになるのは、
買った時じゃなくて、全部読み終わった時だ。
*林屋さん、すっごく有名な人だったんですね。
「知らない人」なんて言い切って、失礼いたしました。
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