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変化が風を呼ぶ

「政権交代は政策ではありません、手段にすぎません」と
選挙のときに麻生さんは言っていた。
でも、
昨日の各大臣所信表明を聞きながら、
「政権交代」とは「政治を変える」という政策だったんだ、と
改めて感じ入った。
今まで、政治に対して「誰がやっても変わらない」と思いがちだった
その閉塞感が、取り払われた気がしたから。
まだまだ問題は山積しているし、
この先大コケする可能性はあるけれど、
少なくとも、
「本当に、政治は動くんだ」と感じられた。
第一日目にして「あ~あ」っていうことが続きましたからね。
大臣が、みな自分の言葉で語ったというのは、評価していいと思う。
結婚と同じで、大臣も
これはスタートであってゴールじゃないということを
全大臣が肝に銘じている内閣というのも、
今までにないんじゃないだろうか。
それがどんな理想であったとしても、
理想に向って歩いていこうとするとき、
人間は成長できる。
「そんなこと、できっこない」ではなく、
「あそこにたどり着くために、今何をすべきか」を考え、
皆で知恵を出し合っていくことは
どんな世界でも必要だ。
この前見た「コースト・オブ・ユートピア」も、
10時間かけて政治の、それも社会主義のおハナシを舞台に、というのは
このご時勢で「できっこない」と誰もが思ったはず。
それを「やろう」と言った蜷川さんも、
受けて立った多くのキャストやスタッフも、
そしてプロデューサーも
ものすごい覚悟の上での冒険だったと思う。
そんな向こう見ずな冒険を、なぜできたのか。
それは「演劇の理想」を思う心である。
手軽で結果がすぐに出やすいテッパンコンビニ娯楽が横行する世の中で
忘れられてしまった精神を手繰り寄せるように、
そして
この気持ちは絶対に観客の中にもあるという「信頼」が
彼らにものすごいパワーを与えたのだと思う。
本気のものは、受け入れられる。
覚悟して進む者は、何かを得られる。
青臭い理想の甘さも苦さも含め、
それを原動力に現実をどうさばくか。
風が水面に波紋を呼ぶがごとく、
少しずつ何かが伝わり、変わっていったら
ステキだな。

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