映画・演劇・本・テレビ、なんでも感動、なんでもレビュー!

  1. 舞台
  2. 29 view

エトワール・ガラ(Aプロ)@オーチャード・ホール

7月28日にエトワール・ガラのAプロを見てきました。
やっぱりマチアス・エイマンはすごい!
この人のバネとテクニックと音楽性は、
見ているだけで人を幸せにする。
バンジャマン・ペッシュの「アルルの女」もよかった。
マチュー・ガニオとエレオノラ・アバニャートの「カルメン」は
…これはもう一つ、という感じだったかな。
大好きな愛のパ・ド・ドゥが
単なる男と女の駆け引きのようになってしまっていた。
プティの振り付けは、記号的なところがあるけれど、
記号の中の熱情をうまく表してくれないと、
奥行きが出ないな~、と思いました。
世界初演の「三銃士」は、
「みんなでやれるものに挑戦」というチャレンジなので、
お話としての完成度はイマイチ。
でも、見所は満載で、楽しく見られました。
言いだしっぺのマリ=アニエス・ジロはミレディ役。
あの存在感はジロ姐さんならではですね。
でも、
かわいらしいオブラスツォーワのコンスタンスもよかったです。
マチュー・ガニオは本当に美形で、国王の恰好で出てくるとため息。
ただ、
踊ってなんぼ、はダルタニアン役のマチアス・エイマンに軍配。
そして、
リシリュー役のバンジャマン・ペッシュが表現力の深さで魅せました。
この配役で、ぜいたくな一幕、という感じです。
あと音楽がミシェル・ルグランで、
本当は新曲を書いてもらいたかったらしいけど無理で、
彼のいろいろな映画音楽を使っていました。
それもあって、
時々内容と音楽がちょっと合ってないかな、と思うところがあった。
でも、
「愛と哀しみのボレロ」の中で私がいちばん好きな歌を使っての
パ・ド・トロワがあって、
そこは至福だったわ~。
エトワール・ガラは、オペラ座のエトワールが中心だけど、
オペラ座組だけでなく、ハンブルグ組にもとっても刺激を受けます。
シルヴィア・アッツォーニとアレクサンドル・リアプコによる
ノイマイヤーの「人魚姫」のパ・ド・ドゥは素晴らしかった!
シルヴィア、ほとんど海洋生物。
ここは深海か?っていう体の動かし方もさることながら、
表情が圧巻。
人間というより動物、といった表情なの。
そして人間である王子(リアプコ)を
「なにか今までに見たことのないものめずらしいもの」として認識する、
その好奇心があふれ出していく。
イリ・ブペニチェクの「フェリーツェの手紙」(世界初演)もよかった。
カフカが恋人のフェリーツェと文通をしていたことを題材にしていて、
ちょうどカフカの「変身」を再読した直後ということもあり、
その世界がとてもよくわかった。
でもこの作品はカフカがどうのこうのではなく、
イリの「動き」のオリジナリティがすべて。
イリのダンスには毎年「これぞコンテンポラリー」をつきつけられる。
「バレエ」の対極にある動きでありながら、
斬新さだけでなく、美しさがあり、物語がある。
これってすごい才能だと思う。
Bプロは見ていないけれど、
こちらも見たかったなー。
(追記)
一流のダンサーが、一流の振り付けを踊る「エトガラ」を見た後で
私はKバレエカンパニーによる「New Pieces」を見ました。
そのレビューも、明日書きます。

舞台の最近記事

  1. 内博貴主演「シェイクスピア物語」

  2. 演劇界休刊の衝撃

  3. 動画配信を始めました。

  4. 「桜姫〜燃焦旋律隊殺於焼跡」@吉祥寺シアター

  5. 8月・カンゲキのまとめ

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。


Warning: Undefined variable $user_ID in /home/nakanomari/gamzatti.com/public_html/wp-content/themes/zero_tcd055/comments.php on line 145

PAGE TOP