よくお邪魔するshio史緒さんのブログで知った
ジョン・ノイマイヤーの世界「バレエの未来 そして愛 」
2004年(平成16年)の番組の再放送だけど、
「とても優れたドキュメンタリー番組なので、
ノイマイヤーファンじゃなくても見れる方はぜひ、ぜひ、見て下さい」
というお声を聞いて、03/12(水)、NHKハイビジョンの番組を録画しておき、
昨日ようやく見ました。
ジョン・ノイマイヤーというと、
すごい人なんだ、ということは知っていたけど、
「時節の色」と「幻想~白鳥の湖のように」くらいしか観ていなかった私。
「白鳥」に至っては、TV鑑賞であります。
スミマセン。
今回番組では、彼の有名な作品の一部分が、次々と流れました。
ナレーションが的確にノイマイヤーの意図を説明し、
それを裏付けるような彼自身のインタビューが続く、という構成もあって、
そのバレエに込められたものが、とてもすんなり伝わってきました。
彼が70年代に手掛けた「椿姫」や「ロミオとジュリエット」などは
とにかく一度観ておかなければ!と意を強くしました。
登場人物の心理をものすごく丁寧に描いていて、
マイムの重要性をさらに実感。すばらしい。
あと、「くるみ割り人形」。
プレゼントはくるみ割り人形じゃなくって、トゥシューズで、
クララはバレエに憧れる女の子、なんて、そのあらすじを聞いただけでわくわくします!
特に釘付けになったのは「ベニスに死す」かなー。
何がどう、と説明できないんだけど、
とにかく目が離せなくて。
これほど音楽と振り付けが一体になったものも、あまり観たことがありません。
機会があったら、ぜーんぶ観てみたい。
そんなことを思った2時間でした。
クラシック・バレエというものへのリスペクト、
伝統を大事にしたいからこそ「そのまま」ではなく「時代」を反映させたいという気持ち、
自分の思いをバレエに投影するストレートさ。
「人間は現実だけでなく、夢でも生きている」という言葉は、ものすごく共感できる。
ノイマイヤーとは、
人の心の風景を次々と見せてくれる振付家なのだと思いました。
この週末は、東京バレエ団での公演の後、
ノイマイヤー自身が彼の「今」を語るアフタートークもありました。
そちらを知りたい方はDolce Vitaさんのブログに詳しく載っていますのでどうぞ。
ノイマイヤーはシンフォニック・バレエについて
「音楽家の音ではなく、音楽家がそのように作曲しようとした源を探り、
それを身体で表すバレエ」
というようなことを語っていました。
今回のアフタートークの中でも、自分の振り付けをダンサーが理解する過程を
同じように、
「私がどうしてそう振付けるのか、そこを考え、探り、理解してほしい」ような感じを受けました。
芸術の本質を受け渡す作業…。
ノイマイヤーは、自分がマーラーやヘンデルとの間で行った工程を
ダンサーと自分との間にも望んでいる。
そこには「先生と生徒」ではなく「芸術家と芸術家」の対峙が必要なのです。
以前、東京バレエ団のプリンシパル・高岸直樹さんとお話する機会があった時、
ノイマイヤーに直接指導されたことで得たことはたくさんあった、とおっしゃっていました。
今回のアフタートークでノイマイヤー氏が
高岸さんや木村(和夫)さん、齋藤(ゆかり)さんを以前より深みが増したと評価していたのが
とても印象的でした。
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