2008年の朝日舞台芸能賞を受賞した
金森穣率いるNoism1の「Nameless Hands 人形の家」が
11月に新潟のりゅーとぴあで再演されます。
Noism1はメンバーの入れ替わりがあったこともあり、
再演とはいえ、本番に向けての稽古に余念がありません。
実はこのリハーサルをみせていただく機会に恵まれたのですが、
もう……金森ワールドに絶句。
作品としての完成度の高さ、芸術性の高さに震えが来ました。
金森穣の脳内に繰り広げられる理想形に近づくべく、
Noism1のメンバーたちが一丸となってシーンを作り上げます。
リズムの一拍一拍にもれなく意味があり、
その一拍の長さの中にもドラマがあり、
その一拍がつらなり重なったメロディが哲学を織りなす……。
そこにコンテンポラリーダンス特有のとっつきにくさはありません。
一枚の絵の中の人物が、ふいに動き出すような浮遊感を覚え、
夢幻の世界に誘われます。寓意に富んだ作品です。
いわゆる「人形ぶり」をモチーフにしていますが、
一見コミカルなつくりの中に、
操られる人形の不自由さ、それを操る人間の傲慢さ、
そしてその人間さえも操られているのではないかという戦慄、
すべてが融合して掘り下げられ、見事に表現されています。
その「思想」を支えているのが、
絶対に妥協しない金森穣の、「肉体表現」へのこだわりと、
メンバー全員の脳内を統一して駆け巡る音楽という共通項。
衣裳も着けず、平場のスタジオでのリハーサルでこの満足感なのだから、
本番ではいかばかりなの感動をもらえるのか???
すでに完売の日もあるとのことだが、
関心のある人は絶対に見るべき。
新潟→東京、1時間半、ですからね(笑)。
チケット3500円は安い!
その分遠征代にかけられる!…と思ってしまう自分がコワイ…。
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