川口松太郎の作品。
だから、歌舞伎というより、新派の芝居みたいな感じ。
初演は明治座で、朝丘雪路や清川虹子が出演している。
あまり上演されないみたいだけど、
とっても心がほっこりする、小品だった。
今、お芝居は「不用不急」のジャンルに入っちゃっていますが、
なんで人はお芝居観るのか、
なんでだれかを贔屓に思うのか、
そういうファン心理をとってもよく表しているお話でした。
「生きていくのに精いっぱい」な田舎の後家さん二人。
そのうち一人は、「生きる楽しみ」も封印しちゃったような人、お辻さん(三津五郎)。
ひょんなことから
ずっとやめていたお酒を飲んじゃって、
気が大きくなったこともあってお芝居見ちゃって、
そのとき「櫓のお七」を演じた女形・栄紫(錦之助)に一発でまいってしまう!
ケチケチなお辻が、「人生の楽しみ」に触れてくれたことを心からうれしく思い、
応援する相方・おゆうに、また味がある!
女同士の友情、あったかい!
彼女は「心のうるおい」を人生の中にみつけていくタイプなのよね。
苦労続きの人生で、たった一度の、「お大尽あそび」。
「生きてる!」っていうつつましくもさわやかな幸せオーラが、ステキでした。
三津五郎の女形は「身替座禅」に続いて2回目。
この人、芸達者。好きだな~。
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