映画・演劇・本・テレビ、なんでも感動、なんでもレビュー!

  1. 舞台
  2. 12 view

「二月花形歌舞伎」(昼の部)@松竹座

「大當り伏見の富くじ」は、
文字通り、大当たりの興業である。
これは大阪世話物を元として松竹新喜劇でも扱っている本を
今回「大阪の人を絶対笑かす歌舞伎にしてみせる」という意気込みで改作したもの。
染五郎を中心とした若手俳優の意欲と、
その勢いに負けじとはじける歌六らベテランのチームワークがよく、
また、黒子や照明その他、スタッフの創意工夫やガンバリもあいまって
「若手歌舞伎」とは多少はみ出したってこういう実験的なものをやる場所さ、と
120%満足する演目である。
「実験的」と言っても小難しいところは一つもなく、
お話の、筋は単純だけど人の気持ちは複雑なところがよく描けていて、
スピード感あり、楽屋ネタあり、現代的なところあり、
でもマジメなところはマジメにやるぞ、と
歌舞伎とは、贔屓の役者がフィーチャーされて、やんややんやと喝采できるもの、
とその原点を見ることが出来て、幸せな気分で劇場を後にできる。
こんな面白い歌舞伎、ある?っていうくらい、面白い。
ぜひぜひ東京でも再演を願う。
「慶安の狼」では、
丸橋忠弥役が中村獅童。
獅童は「瞼の母」「一心太助」と時代の下ったもので大役を任されるようになって、
どんどん質が上がっている。
立ち回りや所作も重みが増し、声も通るようになってきた。
スター性のある人だけに、これからが楽しみである。
彼のさらなる精進を期待したい。

舞台の最近記事

  1. 内博貴主演「シェイクスピア物語」

  2. 演劇界休刊の衝撃

  3. 動画配信を始めました。

  4. 「桜姫〜燃焦旋律隊殺於焼跡」@吉祥寺シアター

  5. 8月・カンゲキのまとめ

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。


Warning: Undefined variable $user_ID in /home/nakanomari/gamzatti.com/public_html/wp-content/themes/zero_tcd055/comments.php on line 145

PAGE TOP