1月23日に、フジテレビの「金曜プレステージ」で
中村勘三郎一家の密着レポートが放送されました。
去年のヨーロッパ公演、そしてその凱旋公演としての長野公演、
さらに年末の浅草平成中村座に掛けた「仮名手本忠臣蔵」について、
勘三郎親子と中村座の奮闘の記録です。
私は「仮名手本忠臣蔵」を見ていたので、
その舞台裏が見られたこともさることながら、
討ち入り場面など、
自分の見ていないプログラムの一端を垣間見られたのが、
うれしかったです。
いつもながら、勘三郎の迫力とデフォルメの力には感嘆します。
顔が錦絵。
浮世絵から飛び出てきたみたいなキャラクターです。
また、
最近よく口にする勘太郎の成長も、
これでもか、と難役・初役にガンガン挑戦させる
勘三郎の方針が花開いた結果なんだな、と改めて再確認。
番組で紹介していたお辰役を、
勘太郎と七之助と、二人にやらせて競わせるところなど、
へえー、と思いましたね。
七之助はわかるけど、勘太郎にも女形をやらせるんだ!
ちょっと無骨なんじゃ?と思いましたが、
これが結構いい女でしたね。
女形もイケるじゃないか、勘太郎! 新たな発見。
それにしても、
芸というのは難しい。
「形だけ覚えているからそういうことになる。
なぜそうなったのか、理由があるはずでしょ」と弥十郎。
かと思えば、勘三郎が
「理由ばかり考えていても、(客に)わからなくちゃダメなんだ。
オレなんか、今、何も考えなくたってここまでできるよ。
それが歌舞伎の方法っていうもんなんだ」
勉強と言うと、本だビデオだ、となるけれど、
完全口伝の世界。
その役をやったことのある先輩のところに教えを乞いにいく、というのは
亀治郎さんもトークイベントで語っていたなー。
勘三郎にして、挑む初役があり、一生徒になって励むのだから、
本当に歌舞伎というのはすごい。
「誰に習ったの?」
「テープ? それじゃだめだよ」
自分がきちっとやってるからこそ、言える言葉ですねー。
しかし、
仁左衛門は、いつみてもカッコイイ。
背広姿もグー。
関西弁も、グー。
あんなにりりしい由良之助を見たあとに、
こんなにもソフトな仁左衛門さんの素顔に、
私はまたまた惚れてしまいました。
世紀の大プロジェクト「仮名手本忠臣蔵」を見られた幸せをかみしめ、
今年もできるだけ歌舞伎を見よう!と思ったのでした。
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