今朝飛び込んできた哀しいニュースです。
新春初日からお休みしていた新橋演舞場では
「天王寺屋!」の掛け声が飛び交ってその死を悼む人々の胸を熱くしたとか。
私は富十郎さんの
「寿猩々」という舞をみて、
ほんとうにすごい!ヒップホップだ!ロックだ!ジャズだ!と感動し、
80歳にもなろうというこの方の足さばきの見事さにうなったのが
富十郎さんをよくみるようになった最初です。
その直後くらいから足を悪くされて、
舞台上で正座をしないで済むよう、
あれこれ工夫して椅子が置かれるようになりました。
でも、
晩年「仮名手本忠臣蔵」の高師直を演じたときは、椅子を使わず
いざるようにして小栗判官にねじり寄り
ああでもないこうでもない、とねちねちいじめるところが
本当に見事でした。
あのいやらしさと軽妙さをないまぜにしたキャラクターは
誰にも出せないものだと感服したものです。
若武者義経の役にしても、
よく通る声の若々しさに驚嘆。
パッと明るく華のある愛らしいお顔が、またお茶目で好きでした。
実は私の父と同じ年にお生まれになっています。
父は64歳で亡くなったので、
ああ、生きていれば富十郎さんくらいかな、と思ってもおりました。
色白なところもちょっと似ていた。
ご冥福をお祈りします。
あの猩々や船弁慶の知盛のごとく、
天を翔けていってくださいませ。合掌
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