3/26に見た「元禄忠臣蔵」では、
團十郎、仁左衛門、幸四郎の3人が大石内蔵助を演じていました。
いずれも魅力的だったけれども、
「南部坂雪の別れ」に出た團十郎は、頭一つ抜け出ていたように思います。
恰幅といい品といい重厚さといい、
その居住まいが美しい。絵になる。
特に、
雪が積もった泉岳寺までの坂を、
足元をとられないよう一歩一歩にじり踏みしめる
その芸の細かさに、
きゅっきゅっと雪を踏む音が聞こえ、
くるぶしのあたりに雪がかかってひやりとするような気さえする。
そして、声の太さと滑らかさ。
台詞の一つひとつが、囁くほどのトーンであってもよく通る。
あまりたいそうなことをしていないように見え、
だから動きも自然で無駄がない。
しかし、1秒1秒手を抜いたところは見られず、
緻密な上にも緻密。
彼は、いつか人間国宝になるのかもしれない、と思った。
しかし、そんな團十郎も、
若いときは客席がざわつくほど芸がおぼつかなかったこともあるという。
目から鼻に抜けるような才覚の持ち主というより、
愚直なまでの努力家だったらしい。
若くして父・先代の團十郎を亡くした中、
周囲のサポートもあって次々とレパートリーを自分のものとし、
気がつけば、團十郎の名に恥じない名優に。
途中、白血病を患ってなお、チャレンジの続く日々。頭が下がります。
歌舞伎って、見れば見るほど面白い。
今の歌舞伎座が壊される前に、できるだけ見ておきたいな、と思います。
歌舞伎座って、どこに座っても見やすい、いい劇場だと思う。
四月も行きます!
今度は3階席ですけど。
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