今日、第一部を観てきました。
千秋楽に、1階で第三部を観たい、という夢は、まだ捨てていませんが、
でも、
今日の最後が勘三郎親子の「連獅子」で、
それがとっても華やかで、未来につながっていて、
だからこれを最後にしてもいいかな、と思いました。
彼らの「連獅子」はシネマ歌舞伎でも見ているが、
勘太郎の成長ぶりには、本当に驚かされる。
気がつくと、勘太郎に目がいっているのだ。
中央には勘三郎だけれど、
勘太郎の顔つきに、「真ん中は自分」という気概が感じられる。
ただ毛ぶりが速いとか豪快とか、そういうレベルではなく、
所作のすべてがキビキビしていて、
動きはすばやく、止まるところは揺るがない。
お囃子を動かすようにして踊っているところがいい。
もちろん、勘三郎だってすごいのだ。
特に足の運びのスムーズさにはまいった。
彼だったらムーンウォークもやれるだろう。
また、子を谷に落とした後に、心配そうに谷底をのぞき込むところ、
よじ登ってこようとする二人を見て満足そうに笑みを浮かべるところ、
表情の一つひとつが細やか。
そして最後は「お前なんかにゃまだまだ負けぬ!」とばかりの毛振り。
勘三郎は名優だけれど、
名優がおのれを脅かすかも、と思うような息子を持てる確率は低い。
中村屋の二人の息子は、
小顔ですらっとして、踊れて、声がよくて、演技ができる。
そんな跡継ぎを一人持つことだって大変なのに、
二人揃って華もあり技もあるとは、ほとんど奇跡だと思う。
そんな奇跡を寿ぐかのごとき「連獅子」。
大喝采の中幕が下り、
次に幕が開くときは3年後の新歌舞伎座でいいような気がした。
彼らの時代だ。
菊五郎や松禄、染五郎、海老蔵など、いよいよ大きく羽ばたいてくれるだろう。
五月の新橋演舞場では、
「熊谷陣屋」や「寺子屋」「助六」など、
御名残四月の歌舞伎座の演目を、若手が演じる。
御名残四月の舞台についてはまた日を改めて書くが、
歌舞伎座で見せたベテランたちの神経の細やかな演技に
彼らがどこまで肉薄できるか、見比べるのも楽しみだ。
今日を含めてあと7日、といっても
それは閉場式をラストの日と考えてのこと。、
千秋楽は28日だから、あと4日でおしまいなのだ。
ああ、本当に御名残惜しい。
本当にステキな演劇空間です。歌舞伎座。
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