昨日はWOWOWはずーっと平成中村座の録画中継。
「白浪五人男」「沼津」「身替座禅」「お染七役」。
やっぱり、「沼津」は何度見てもよい!
勘三郎と仁左衛門がガチで織りなす緊張感がたまらない!
前半の軽妙なコメディから一転、
後半はあれもこれものジェットコースターな物語。
笑いの間とツボをおさえた2人の掛け合いで大笑いした後に、
まさかこんな何重もの悲劇が待っているとは!
「身替座禅」は、わかりやすいし面白いし、お囃子は一流。
でも、
シネマ歌舞伎にもなった、さよなら歌舞伎座公演でやった
勘三郎と三津五郎のコンビにはかなわなかった。
勘三郎は同じ蔭山右京役だけど、妻の玉の井役は弥十郎。
弥十郎の玉の井は、夫恋しで突き進む奥さん。
三津五郎の玉の井は、もっと貫禄があって、
憎らしいほど落ち着いていることで、さらにコワサと可笑しさが増幅していた。
また、何が違うって、踊りが違う。
勘三郎、三津五郎って、もう踊りの名手2人の競演が、
この単純な芝居をいかに重厚なものにしてくれているかがよくわかった。
能・狂言から出た歌舞伎について、
三津五郎はいつも、「品格」を大切にして踊っている。
「勘三郎さんは民放、私はNHKと言われ続けてきた」と自分でも語る
感性の異なる好敵手との競演を何度も繰り返してきたこの2人。
お互い高めあい、あるいは思いもかけない化学反応もあるのだろう。
「お染七役」と「白浪五人男」は
どちらも七之助が主役。
興業は「白浪~」が11月で、「お染~」が1月と、たったふた月しか違わない。
違わないのに、その1ヵ月での七之助の伸びが如実にわかる。
玉三郎に習ったという「お染~」では
端正で品のある女形の立居振舞いを見せて、見事である。
WOWOWでは、本編放送の直前に
出演者のインタビューのほか、早変わりの舞台裏を見せる。
これはなかなか見ごたえがある。
また、
WOWOW独自のガイドを副音声で流していて、
こちらも大変わかりやすく、内容に親しめ、勉強にもなった。
来月は、4/28に今月平成中村座にかかっている勘九郎襲名披露公演を、
口上も含めて放送する。
今月は、海老蔵も平成中村座に初参加している。
私は昼の部はすでに観劇したが、
夜の部は予定が立たなかったので、とても楽しみにしている。
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