本人の会見が今日午後に予定されているようです。(直接確認した情報ではありません。あしからず)
じん帯損傷の程度がどれほどのものかはわかりませんが、
完治させ、リハビリを始め、また元のように踊れるようになるまでには、
かなりの時間がかかるのではないかと推測されます。
モノの本によると、じん帯は焦って運動を再開すると、
さらに悪化することがあるようで、
ここは用心にも用心を重ね、完治を目指してもらいたいものですね。
熊川哲也を見るために、苦労してチケットをとった人、これからとろうとしていた人へ。
「熊川哲也の出ないKバレエなんて・・・」と思うのは無理もありませんが、
それが「○○のないコーヒーみたい」だったのは、ずーっと前のこと。
今は、熊川がステージに上がらなくても、
熊川イズムはものの見事にカンパニーに浸透して、
そんじょそこらのバレエ団より、絶対観客を楽しませてくれます。
それを証明している一つがこれ。Coppelia / 熊川哲也
とにかく、物語の流れが素晴らしい。
私はKバレエの「コッペリア」を見るまで、この話が大嫌いでした。
だって、これは、コッペリウスというヘンクツ老人が、
スワニルダそっくりのからくり人形を作って愛でているのを、
コッペリウスの家に勝手に忍び込んだスワニルダ本人やその友人、
そしてスワニルダの恋人のフランツが見つけ、
スワニルダが人形の振りをして老人をからかい翻弄する、
いわば若者の老人イジメの話なのです。
けれど、Kバレエの「コッペリア」はコッペリウスの人物造形が深い。
元英国ロイヤルバレエ団のプリンシパル、スチュワート・キャシディの演技力が光ります。
単にイカれたオヤジで、若者にいいようになぶられる、というのではなく、
非常に愛すべき人間として、感情移入してしまいます。
「動くコッペリア(実はスワニルダ)」を見てどんなに喜んだか、またその後、どんなに傷ついたか、
起伏のある細やかな心理描写もよく伝わります。
いたずら好きなスワニルダたちのお茶目ぶりにも悪気がなく、
酒屋の主人も不良少年(?)をたしなめたり、
女の子の中にも「ねえ、もうやめようよ」みたいな意見が出てきて、ホッとします。
私の一番好きなシーンは第二幕、コッペリウスの家に潜入(?)したスワニルダたちが、
たくさんのからくり人形を見つけるところです。
彼女たちは、人形たち(ダンサーたちが演じる)のネジを巻いて動かしては一緒に踊り、
人の家に上がりこんだことも忘れ、はしゃぎ、遊びます。
一見メチャクチャみたいだけど、計算し尽くされたその動きとリズムのよさで、
ここのシーンは、そりゃあ楽しいんです。
その間、熊川演ずるフランツは、コッペリウスに眠り薬を飲まされて、
ずっとテーブルにつっぷしたままなんですよ。
それでも、ステージ上はキラキラしたエネルギーに満ち溢れ、
そこに熊川がいることさえ忘れてしまいます。
その後も、スワニルダがコッペリア(人形)のマネをして動く見せ場が続き、
ずっと目が離せません。
熊川は、たくさんの楽曲を聴き比べ、物語の舞台となった時代や国の歴史をひもとき、
場面にあった音楽を選んだ上で、その音楽にインスパイアされて振り付けをしました。
古典の再振付・再構成にこれほどまでの才能があるとは、と誰もが舌を巻くほどの出来栄え。
耳慣れたドリーブの音楽が、さらに引き立ちます。
BGMとしてずっとリビングに流していても楽しい、そんなDVD。
Kバレエのカンパニーとしての実力は、このあたりからぐんぐん向上してきたような気がします(2004)。
(本日行われた記者会見についての概要は、下記のサイトで見られます。21:11追記)
http://contents.oricon.co.jp/news/entertainment/44724/
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