「熊川哲也復帰への300日」(仮題)
改め
「天才ダンサー熊川哲也ケガからの奇跡の復活」
TBS系列で昨日関東でオンエアとなりました。
ご覧になりましたか?
熊川ファンなら知っている映像も多々ありましたが、
12歳の時に踊った「海賊」のソロの映像は、私は初めて見ました。
12歳ですよ、12歳。
彼がバレエを始めたのは、10歳ですからね!
たった2年かそこらで、あんなに完成度高く美しく、舞えるものなのでしょうか?
特に、2度目のピルエット(ぐるぐる回転)では途中から軸足のヒザをまげて、
少しずつ体の重心を落としていく技なんぞ、
何考えてるんじゃ~、この少年??って感じ!
今彼がステージでやっていることのほとんどは、12歳の彼のアタマにあり、
そして「やってやろう!」の気概にあふれていたという
そのことに、感動しまくりでした。
ケガした時の心境は、今までにもいろいろな媒体で伝わっているとおりでしたけど、
「朝になると絶望」という言葉には、実感がこもっていましたね。
「今までは、とにかく自分が踊ってしまえばどんなことも解決してきたけれど、
それができない」という言葉にも。
年末の「くるみ割り人形」で満席になった時は、
本当にうれしそうでした。
また徐々に「第九」の初日が迫る中、
「いろいろ売り方もあるだろう、お客さんにも期待があるだろう、
でも、自分は完全じゃないんだっていう自分の気持ちとのギャップ」をひしひしと感じ、
「孤独」を初めて感じた、というくだりでも、
その背中に焦りが感じられました。
その数ヶ月前、本格的なバーレッスンをした後、
トレーナーに向かって感触を伝えようと
「痛みはないんだけど、でも…」と言いかけたまま、黙りこんでしまった熊川に
「元に戻る」ことの難しさを見ました。
本当に、よくここまで来たなー、と改めて実感です。
3月14日の「第九」初日、10ヶ月ぶりにステージに立った熊川。
メイクをするために覗き込む、鏡の中の自分を見るのも10ヶ月ぶり。
そして、観客席という深い黒い海の前で踊るのも、10ヶ月ぶり。
踊りながら、思わず知らず微笑んでしまう熊川を、カメラはとらえていました。
「もう一度、踊ることを学びなおすのもいいね。
長い、タイムオフのあとで…」
衣装合わせをする熊川の呟きが、
復帰する瞬間を想像した時の、とろけんばかりに幸せそうな熊川のまなざしが、
彼がどんなにバレエを愛しているかを表していました。
自分として、もっとも嬉しかったのは、
先日書いた「第九」のレビュー、熊川のコンセプトとぴったり合っていたこと。
「神の存在と再生、未来への委譲」が
彼のもっとも言いたかったことだったんですね。
そんなこんなの1時間半。
TBSの熊川番組は、おしなべて「もちあげて終わり」が多いのですが、
今回は、熊川の「弱み」にかなり踏み込んで作っていました。
気がつけば、「白鳥の湖」公演も、あと2ヶ月。
「本格復帰」を期待して楽しみに待ちましょう!
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「天才ダンサー熊川哲也ケガからの奇跡の復活」
- 熊川哲也とKバレエカンパニー
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