3度目の正直。という人もいるだろう。
初演のツアー途中で負傷、
前十字靭帯断裂という大怪我を一年足らずで克服し、
一年後に行われた再演は、
なんと初日開幕の数時間前に降板、それもまたヒザの故障。
熊川哲也のアリが見たくて、見たくて見たくて、
数年越しの望み叶えとばかりに集まった観客の前で、
今回の初日は幕が開いた。
序曲とともに現れた海賊船。
その上に立つアリ=熊川の、カッコいいこと!
鍛え上げられた体は今までにないほど美しく、
肩、胸、みぞおちのあたりへと続く、
むだのない、それでいて柔らかいなだらかな曲線、そして肌の艶……。
長年舞台上でさまざまな「半裸の熊川」を見てきているわけだが、
今回初めて、その「肉体」にドキドキしてしまった。
何これ? この感覚は何?
終演後。
カーテンコールはすごかった。
アリを踊れたことがうれしくてたまらない熊川もまた、
アリ流のスタイルでクールにおじぎをしながらも、
満面の笑みはこぼれまくってしかたがない、という様子だ。
周囲の熱狂の渦中にありながら、
しかし私は醒めていた。
その理由を自分でも確かめたくて、
土曜の公演も行くことにしました。
初日のレビューは、その後に書きます。
とにかく、怪我なく幕が開き、
怪我なく幕が下りた。
まずはそのことに、感謝。
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「海賊」@オーチャードホール初日(1)
- 熊川哲也とKバレエカンパニー
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