今月は、前半が名古屋遠征、後半は東京国際映画祭と盛りだくさん。歌舞伎7、その他の芸能2、演劇1、宝塚1で舞台11、映画が12でした。
【歌舞伎】
十月大歌舞伎(昼の部)「女暫/幡隋長兵衛/他」@歌舞伎座
十月大歌舞伎(夜の部)「外郎売/口上/熊谷陣屋/藤娘」@歌舞伎座
錦秋名古屋顔見世(昼の部)「橋弁慶/壺坂霊験記/ぢいさんばあさん」@日本特殊陶芸市民会館ヴィレッジホール
錦秋名古屋顔見世(夜の部)「寺子屋/英執着獅子/品川心中」@日本特殊陶芸市民会館ヴィレッジホール
仮名手本忠臣蔵(三か月通し狂言・第一部)(大序から判官切腹まで)@国立劇場大劇場
仮名手本忠臣蔵(研修発表会〈二段・三段〉&お楽しみ懇談会)@国立劇場小劇場
高雄歌舞伎「白浪五人男/熊谷陣屋/傾城阿波鳴門(どんどろ)」
【その他の伝統芸能】
邦楽鑑賞会(第二日)「義太夫・神崎揚屋の段」ほか
古典の日記念1「安宅関の山伏問答」(講談/能・金剛流)
【演劇】
「お国と五平/息子よ」@吉祥寺シアター
【オペラ・ミュージカル】
宝塚宙組「エリザベート」(朝夏/実咲)@東京宝塚劇場
【映画】
「底辺から走り出せ」(中国)
「名誉市民」(アルゼンチン)
「天才バレエダンサーの皮肉な運命」(ロシア)*
「復活の日」(日本・リマスター)*
「忠臣蔵」「血闘!高田馬場」(日本・無声映画リマスター)
「聖の青春」(日本)
「種まく旅人」(日本)
「かぞくへ」(日本) ~以上・東京国際映画祭~
「僕と世界の方程式」
「ブラックファイル」
「ガールズ・オン・ザ・トレイン」
「皆様、ごきげんよう」
力演ぞろいの10月でしたが、
今月のMVPは、高雄歌舞伎「熊谷陣屋」で小学生ながら厳格な所作と義太夫・糸に乗って熊谷直実を立派に演じた吉田剛くんに。とにかく、新芝翫も負けていられない、というあっぱれな名演技でした。
最優秀作品には宝塚宙組「エリザベート」を。朝夏まなとのトート、陰なる存在感が素晴らしかった。実咲凛音のエリザベートも少女から王妃そして老境へと成長過程をしっかり見せ、歌声も安定していた。宝塚らしさを生かしつつ、レベルの高さでも帝国劇場も凌駕したのでは、と思えるほどの出来でした。
期待はずれだったのが佐藤B作と七瀬なつみの「お国と五平」。現代的な視点をもった斬新な演出を期待していたが、扮装から科白から、ほぼ歌舞伎と同じ。歌舞伎と同じなら歌舞伎が勝つのが順当というもの。ひねりがなさすぎた。
私が観た日は観客の反応にも驚愕。武士の家に生まれても剣術を好まず、戦いたくないのにそれを強いられる人の気持ちを吐露するところで皆笑う。声を出して笑う。そこ、私はとっても理解できるのだが。皆は笑うのね。劇がどうのではなく、人間の感情の行方を知ってぞっとするほど落胆した。
映画についてはそれぞれレビューを後ほどアップします。
「復活の日」の素晴らしさには脱帽。
これから封切の映画の中では、「僕と世界の方程式」が手堅い。
一番好きだったのは「底辺から走り出せ」です。
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