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「モーツァルト!」(山崎/香寿)@帝国劇場

やられた!
思わず帰りに買い増ししました、育三郎バージョン。
特に後半、お父さんが死んで、アマデに首絞められて、
「お前のせいだ!」って叫んで、ってあたりから
もう彼から目が離せなくなって、
レクイエムを作曲するところなんぞ、
市村さんとか山口さんとか香寿さんとかも含め全員がコーラスしてるのに、
その大合唱が全然耳に入らないくらい、ただただ山崎ヴォルフを見てた。
必死の形相で楽譜と格闘するヴォルフ。
頭の中で音楽が鳴っている。
それをたどるように、吐き出すように、絞り出すように、
赤い羽根ペンを狂ったように動かす。
しかし。「死が近づいている」「もう書けない…」
「僕は死ぬ。そのとき、君は…死ぬ?」
アマデに問いかけた、その「死ぬ?」のトーンが絶妙で。
そして、
「メジャーとマイナー…」の歌が神々しいまでに甘く美しく…。
あーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
すごいもの観てしまった。
「サ・ビ・タ」や「ラスト・ゲーム」で観ていたから、
山崎ヴォルフは絶対いいだろうと確信はしていた。
していたけれど、
こんなに胸しめつけられると思わなかった。
甘えん坊で、少し軽薄で、最後はパパが面倒みてくれるって思ってた
パパが大好きだからこそ反抗していたヴォルフが、
パパの死によって壊れていく。
壊れながらも、自分で生きていこうとする。
パパとも、アマデとも離れ、自立しようとする。
その葛藤が痛々しいくらい哀しくて。
最後にアマデが一緒になってくれて、
本当によかったと思った。
アマデもあなたの一部なんだよって言ってあげたかった。
山口さんのコロレド神父はいよいよ高らか。今の彼でジーザスを聞きたい。
出演がムリなら、歌だけでも歌って!
香寿さんの「星から降る金」、泣きました。
なんてやさしい声なの~!
hiroも後半奥さんになってからはがんばった。
「ダンスは踊れない」もコンスタンツェの苦悩がよく出るようになった。
市村さんのパパは、本当に存在感がある。
ナンネールの
「もし私が男だったら、音楽を続けた。今はうちでピアノを弾くだけ」の後、
「人生をあきらめたのは私も同じ」っていう、あそこがほんとに見事。
女とか男とかに限らず、
才能の有無の問題なんだっていうことを悟らせるんだよね。
ナンネールの高橋さんも、ほんとに当たり役。
時々音がはずれちゃうのだけなくなれば、ほんとに完璧なんだけどな~。
シカネーダーの吉野さんも炸裂してました。
山崎ヴォルフ、今度は涼風さんとです。
楽しみだわ~。
こうして東宝のワナにからめとられていくのでした。
今日はとっても満足の一日でございました。はい。

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