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帝劇「エリザベート」に行ってきました。
恥ずかしながら、「初」だったんです。
宝塚とかも含めて。
私の印象。
とにかく、トートの山口祐一郎がすごい。
あの存在感。
そして歌のうまさ。
囁くような声から、高音を思いっきり歌い上げるところまで、
もう自由自在。
誰かが「祐さまは人間以外がお似合い」とか言っていたが、
その意味がよくわかった。
このオーラ、人間だとおさまりきらないです。
そして目ぢからも。
目だけで演じられてる。
また、「微熱が・・・」のところなんぞ、
とろけるような声、そして顔。
演じ方一つで全然意味が違ってくるだろうっていうセリフです。
他の人が通り一遍にこなしたら、何の感動も呼ばない場面になってしまう。
いや、それが当然っていうか、
リリック書いた人だって、ここまでセクシーな意味は入れてなかったかも。
この人、ほんとにすごい人だと思った。
もちろんエリザベートの涼風真世も負けていない。
難しい曲が多い中、絶対に音程がぶれないすごさ。
特に精神病院で歌う歌なんで、難しすぎるー！！
でもこの曲がもっとも彼女の心情を表していて、
そこまで歌を自分のものにしている彼女を尊敬。
また、少女時代の屈託のなさが、
皇帝に首飾りをプレゼントされて首にかけてもらった直後の
「重いわ」の、そのひと言からトーンが変わる、
オトナの世界に１歩踏み出し、自分の世界を封じられる予感を表して
とても印象的だった。
ただ、
物語的に、後半エリザベートに感情移入が難しくなっていく。
彼女は放浪してばかりで、心を推し量れなくなるから。
そのあたりの説得力って、
他のキャストだとあるのかしらん？
ルドルフを「見殺しにした」という嘆き方とのギャップに
ちょっと戸惑いました。
逆に、ものすごく感情移入しちゃったのが、
皇帝。鈴木綜馬の柔かくて美しい声に、まいってしまった。
皇帝、とってもいい人って思えちゃって。
皇帝とエリザベートが月の光の中で語り合う場面はとても美しい。
大人の語らい。
愛していてもすれ違ってしまった二人の夫婦生活を「2つのボート」になぞらえ、
触れたかと思ったらはじかれて遠ざかるさまを歌い上げる、
このデュエットは逸品でした。
2階の後ろのほうには高校生の団体が。
彼らに理解できるかね？
このオトナの愛を？
他にも娼館の場面のところとか、見せていいのか？という気持ちがあった。
「ライオン・キング」ばかりじゃものたりないだろうし、
いいものは早くから見たほうがいいけどね。
つくづく、芸能とは爛熟した文化であります。
この日のルドルフは浦井健治。
歌はきちんと歌っているんだけど、ルドルフとして生きているかといえば、
そこまではまだ至っていないかな。
特にダンスは、まだ「おいっちに」のレベルで、
いわれたとおりにステップ踏んで、リズム刻んでいる感じが見えてしまい、
そのあたりが改善されるといいな、と思います。
来月、山口・涼風・石川・浦井でもう一度見られるので、
その時をまた楽しみにしています。