森繁久弥と洋物ミュージカル、という取り合わせが、どうも腑に落ちず、
ものすごいロングランだということは知りつつ、
結局森繁テヴィエは観ずに終わってしまった若かりし頃の私。
それじゃあ西田敏行はテヴィエにフィットしる、と思ったのかといえば、
・・・そうも思えない。
けれど、学校から「一人1000円で見られるミュージカル券」
というチラシをもらって、子どもたちを連れて観にいったのが、
私の「バイオリン弾き」はじめて物語。それは、帝劇初体験でもありました。
舞台を観て一番感じたことは、
ものすごく有名な劇中歌「サンライズ、サンセット」について。
とってもおごそかな歌なんだな、ということ。
結婚式の宵、火を灯しながら静かに歌うこの曲には、
祈りの気持がこめられて、とても敬虔な気持にさせてもらえました。
結婚式といえば、これが男と女が親しく話せる唯一の場であること、
でも、男と女の「居場所」は区切られていることなど、
インドその他の国と通じるものがあります。
イスラエルも含め、アジアの文化には
こんな共通点があるんですね。
ところで父親テヴィエは「しきたり」にうるさいけれど、
母親ゴールデはそうでもない。
式の会場をロープで二つに仕切って、一方は男、もう一方は女。
その境界線を越えて、ダンスをするゴールデが、
どんなに革新的な女性なのか。
一瞬息がとまるほど、びっくりしたシーンでもありました。
今、日本の舞台は4代目テヴィエ・市村正親ががんばっています。
(3代目は上條恒彦さん)
まだ観てないけど、想像できちゃうくらいハマリ役だよね。
日本に「帝劇ミュージカル」を定着させた森繁さんを、
いつか越えられるよう、がんばってほしいです。
明日は、映画版について書く予定です。
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「屋根の上のバイオリン弾き」
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