聞きごたえのある2時間半でした。
出演者も豪華なら、
楽曲も豪華。
私のイチオシは、
『マルグリット』から、春野寿美礼の歌う『チャイナ・ドール』。
春野さんは冒頭に歌う『People』(『ファニーガール』)で会場を一気に支配しました。
歌の上手い方々が揃っているので
「誰がうまい」という感想は意味がない。
それでも、
春野さんはその気品と歌心で好き嫌いを越え、
最初の1音から人々の心をわしづかみにしました。
春野さんに限らず、女性陣は全員宝塚OGなわけで。
改めて、彼女たちの「力」に感服です。
男役→女優という道を経て、
全員がたくさんの引き出しを持っている。
湖月わたるは『All that Jazz』でヴェルマ、
『アイーダ』ではラダメス、と男女どちらも。
姿月あさとも
『ファントム』の『You are My Own』で
聖母マリアのような深い母の慈愛を醸したと思ったら、
『エリザベート』では男役として『闇は広がる』を!
もう、たまりませんっ!
『ファントム』では、樹里咲穂のカルロッタも
コミカルの中にもオペラ歌手ってこういうものよ、どうだ~!
を演じてくれて、素晴らしかった~。
こういう人がカルロッタやってくれないと、おハナシにならないです。
ゲストの霧矢大夢は、ソロは2曲とも男役として。
カッコいいし、歌も踊りも上手いけど、
まだ男役が抜けてないのかなー、と思いました。
それに比べると、
安蘭けいは、ついに女優の音域を獲得したな、という感じ。
私、久々にとうこさんの歌声に酔った。
男性陣も豪華!
中山晃教の『僕こそミュージック』に続けて
山崎育三郎が『何故愛せないの?』が聞けるという幸せ!
流れるようなコンセプトの共有。
すごい!
アッキーは本当に歌手なんだなー、と思う。
丁寧に、丁寧に、愛しがるように音を紡ぐ。
春野さんと同じように、その1音で、胸が痛くなるほどせつなくなるの。
すごく成長したなー、と思ったのが、伊礼彼方。
声が太く、滑らかになった。
声量もある。
『アイーダ』でも、公演当時より説得力あり。
『エリザベート』の『夜のボート』もよかったー。
そのうち、本役がまわってくるといいですね!
作品のチョイスにも工夫がありました。
単に出演者の持ち歌というだけでなく、
オールスターで歌い上げる1幕の終わりの『アイーダ』、
同じく全員でのラスト『MITSUKO』には、
今の世の中に一番大切なことは何なのだろう、と
思わずにはいられないメッセージ性がありました。
梅田芸術劇場が、
梅田コマ劇場という名前だったころから
単なる場所貸し劇場ではなく、
ミュージカルという文化への愛と理解を広めるべく
さまざまなプロダクションを企画あるいは招聘してきた歴史が
ここに凝縮しています。
今日が初日。
お時間のある方、ぜひいらしてください。
ホンモノの歌が聞けます。
http://www.umegei.com/schedule/430/index.html
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梅芸10周年記念「Golden Songs」初日
- ミュージカル・オペラ
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